アミティ「えい!や!どうだ!!」
Dシェゾ「えい!えい!どりゃあー!」
アミティ「うわー!やられた…」
Dシェゾ「俺の勝ちだな…」
リデル「Dシェゾさんすごいです、ゲーム上手ですね…」
アミティ「Dシェゾなんでそんなに強いの〜!?1回も勝てないよ…」
Dシェゾ「俺に勝ちたきゃもっと練習して強くなる事だな」
シェゾ「はあ…お前らよくデパートのゲームセンターにそんな3時間もいられるな…」
アミティ「うう…もう1回!!」
シェゾ「お前らいつまでやってんだよ…」
???「戦隊仮面の光るカラーボール1つ買ってこ…」
アミティ「フードコートのアイスクリーム屋さんでアイス食べて休憩!!」
Dシェゾ「闘いの後のアイスって格別だよな…」
リデル「美味しいです…」
アミティ「シェゾも一緒にゲームやれば良かったのに!」
シェゾ「あ、ああ…また今度な…」
リデル「それにしても…食品売り場すごい混んでますね…」
アミティ「もう4時過ぎてるから夕食の買い物の時間なんだよ!」
Dシェゾ「夕飯か…俺も今日の夕飯何にしようか…」
アミティ「そうだ!献立推理ゲームしようよ!!」
リデル「献立推理ゲーム?」
Dシェゾ「何だよそれ」
アミティ「みんなの捨てていったレシートを見てその家の夕飯が何か当てるゲームだよ!」
リデル「なるほど…面白そうです…」
アミティ「そうと決まれば早速1つ目!」
シェゾ「持ってくんの早いな…」
アミティ「えっと…このレシートに書いてあるのはじゃがいも、玉ねぎ、鶏卵6個入り」
Dシェゾ「鶏卵って…?」
シェゾ「卵だ、鶏の卵ってこと」
Dシェゾ「へえ…」
アミティ「えーっと、次は…牛ひき肉、パン粉…以上!さあこの家の夕飯は何かな?」
リデル「分かりました…コロッケです…あ、でもコロッケには小麦粉も使いますね…」
シェゾ「前に買ったのが残ってるんじゃないか?」
リデル「あ、なるほど…」
アミティ「それじゃあ次!若鶏もも肉、ケチャップ、グリーンピース、それに…トマト、レタス、セロリ!」
Dシェゾ「チキンライスか…?」
リデル「多分野菜サラダ付きですね」
Dシェゾ「次俺読むぞ、えっと…なんか沢山あるな…じゃがいも、玉ねぎ、牛肉、小麦粉、白砂糖、以上だ」
リデル「うーん、肉じゃがじゃなさそうですし…」
アミティ「クリームシチューかグラタンかな…?でも普通は白砂糖じゃなくて塩コショウだけど…」
シェゾ「砂糖は別のに使うんじゃないか?何も、今夜の夕食の材料だけを買ってるわけじゃないだろうからな…」
リデル「確かに…それもそうですね…」
Dシェゾ「それじゃあ次のレシートだ、えっと…ペティナイフ…まな板…?それから…おろし器、ハンディグローブ、フードケース、ちりとり…?」
アミティ「それ、別の売り場のじゃない?」
Dシェゾ「でもなんだ?ペティナイフって…」
シェゾ「小さめの包丁だ」
アミティ「果物ナイフみたいな物だよ」
Dシェゾ「じゃあハンディグローブは?」
リデル「料理用の手袋だと思います…」
Dシェゾ「へえ…料理するのに手袋なんて使うのか…」
リデル「わかりました…きっとその人引っ越してきたばかりで今日から料理を始めるんですよ、それで包丁やまな板を買ったんです」
アミティ「おろし器は玉ねぎを下ろすのかな?」
シェゾ「ほう…なかなかいい推理してるじゃないか」
アミティ「そしてちりとりは掃除に使うの!」
シェゾ「当たり前だろ…」
アミティ「若い女の人かな…?」
リデル「うーん…男の人って可能性もありますよ…?」
Dシェゾ「えっと…3枚目は、戦隊仮面カラーボールって書いてある…」
アミティ「それじゃあ子供がいるのかな?」
Dシェゾ「4枚目は単二電池、ハンドルライト…ハンドルライトってなんだ?」
アミティ「それ、自転車のハンドルに付けるライトじゃない?」
リデル「何だか買うものがバラバラですね…」
Dシェゾ「最後5枚目…あれ、これ違う店のレシートだ、えっと…マツモトクヨシ…」
アミティ「それ、隣のドラッグストアだね」
リデル「何を買っているんですか?」
Dシェゾ「えっと…クロニン…?」
シェゾ「クロニン!?」
アミティ「クロニン…?」
シェゾ「そのレシートちょっと見せてみろ!最初の食品売り場のレシートもだ!」
Dシェゾ「何だよ…急に」
シェゾ「いいから早く!」
Dシェゾ「わ、分かったよ…」
アミティ「どうしたの?シェゾ」
シェゾ「ほんとだ…クロニン…」
リデル「一体なんなんですか…?クロニンって…」
シェゾ「無色、または白色の結晶で普通は皮膚の消毒や殺菌に使うんだけど…もうひとつ別の使い道もあるんだ…」
アミティ「別の使い道って?」
シェゾ「クロニンは高い毒性を持っているんだ…」
Dシェゾ「なに!?」
リデル「毒ですか…!?」
シェゾ「あ、いや…普通はモグラ退治用にモグラ団子を作るんだが…その材料がこっちのレシートに書かれていたじゃがいも玉ねぎ牛肉砂糖なんだ」
Dシェゾ「それじゃあ普通にモグラ退治のために買ったんじゃないか?」
シェゾ「この都会にモグラなんていると思うか…?」
Dシェゾ「ああ…そっか…」
リデル「ネズミならたまに見ますけどね…」
アミティ「じゃあやっぱり、皮膚の消毒に使うんだよ!じゃがいもや玉ねぎはシチューかグラタンを作るんだよ」
シェゾ「うーん…まあそうなんだろうな…しかしな…」
リデル「シェゾさん…そんなに気になるならお店の人に聞いてみますか?」
シェゾ「そうだな…えっと…15時20分、まだ1時間ぐらいしか経ってないな、担当は…高橋あいさんって人か」
高橋さん「お待たせしました、その人の事ならよく覚えています」
アミティ「ええ!?」
リデル「ほんとですか…?」
高橋さん「20歳ぐらいの男の人でね、最初在庫切れだと勘違いして明日入るからって伝えたらどうしても今日中に欲しいんだって言われて…」
シェゾ「その人どんな様子だった…?」
高橋さん「うーん、なんて言うか…妙にソワソワしてて落ち着きがなかったわね…」
リデル「その男の人の見た目は…!?」
アミティ「髪の色は!?」
Dシェゾ「体型は!?」
アミティ「メモ!」
リデル「ペンです…!」
Dシェゾ「さあ、教えてくれ!」
高橋さん「え、ええ…」
アミティ「早く教えてください!!」
シェゾ「お前らな…」
リデル「身長は170センチ前後…」
アミティ「茶髪に眼鏡をかけていて…」
Dシェゾ「体型は痩せ型で黒っぽい上着を着ていたと…」
シェゾ「うーん…」
リデル「問題はその人がクロニンを買った目的ですね」
シェゾ「ああ…皮膚の消毒に使うにしては落ち着きがなかったって言うのが気になるな…」
アミティ「ねえ…モグラ団子って人間が食べたらどうなるの?」
シェゾ「ああ…死にはしないが、体が痺れて動けなくなるらしい…」
リデル「動けなくなる…分かりました!この男の人はやっぱりモグラ団子を作ろうとしているんです!そして、その団子を誰かに食べさせて誘拐するつもりなんです…!」
アミティ「誘拐ー!?」
Dシェゾ「誘拐だと…!?」
リデル「それならモグラがいないのにモグラ団子の材料を買ったのも落ち着きがなかったのも分かります!」
シェゾ「とにかく!その男の身元を突き止めるぞ!」
アミティ「うん!」
シェゾ「このレシートなんだが…」
女性店員「さあ…お客さん沢山いるから覚えてないわね…」
シェゾ「そうか…」
シェゾ「これだ、1980円のペティナイフ」
リデル「小さいですけどじゃがいもや玉ねぎを切るのには充分ですね…まな板もプラスチック製で1番小さい物です」
アミティ「おろし器もプラスチック製だよ」
リデル「どれも普段料理をしない男の人が急いで買ったものって感じですね…」
Dシェゾ「120円の手袋はこれだな」
シェゾ「超薄手、ポリエチレン製か…」
リデル「これでモグラ団子を作れば指紋は残りせんね…」
シェゾ「このフードケースは…使い捨てみたいだな…」
リデル「でもモグラ団子を入れて持ち運ぶには充分な大きさです…」
アミティ「このちりとりは1番柄が長くて薄いやつみたい」
Dシェゾ「でもちりとりとモグラ団子ってどう関係あるんだ…?」
リデル「それは…私にも…」
店員さん「そういえばそんな感じの男の人が買っていったかもね…」
シェゾ「どこの誰だか分からないか…?」
店員さん「さあね…」
Dシェゾ「このボール…暗いところで光るらしいな」
シェゾ「夜行塗料が塗ってあるんだな」
リデル「これもモグラ団子との関係は分かりませんね…」
アミティ「でも、そんな人が買っていったなんて全然気づかなかったよ…あたし達すぐ近くでゲームしてたのに」
自転車売り場の店員「あー!このハンドルライトね!3日までに出たばかりの新商品だからよく覚えているよ!ほら!」
アミティ「あー!」
Dシェゾ「これは重要な手がかりになるな…」
アミティ「買っていった人って、身長170センチぐらいで痩せ型で黒っぽい上着を着ていて茶髪にメガネの人ですか?」
自転車売り場の店員「おーよく知っているね!!確か電池も買っていったよ!でもどこの誰かは分からないな…」
リデル「そうですか…」
シェゾ「分かった…それ買います」
アミティ「シェゾも自転車につけるの?それじゃあ電池も買わないとだよ?」
シェゾ「俺が使うんじゃない、その男を探す手がかりにするんだ」
Dシェゾ「でも、名前も住所も分からないんじゃ探しようがないんじゃないか?」
シェゾ「いや、手がかりならある…6枚目のレシートだ」
リデル「そういえば6枚目のレシートはまだ見てないですね」
シェゾ「これはコンビニのレシート、ユートピアプリンプ公園店…買ったのはビニール傘だ、時間は午後14時50分」
アミティ「14時50分?」
リデル「私たちがプリンプ図書館にいた頃ですかね…?」
シェゾ「ああ…その頃、すごいにわか雨が降ってきただろ?この店は200m先にプリンプ駅行きのバス停があって男は多分そこからバスに乗って来たんだと思うんだ…」
Dシェゾ「ほう…」
シェゾ「俺が思うにこの男は自宅から歩いてプリンプ駅に向かったと思うんだ…その途中に突然にわか雨が降ってきたんだ、それでコンビニに飛び込みビニール傘を買った」
リデル「なるほど…」
シェゾ「つまり、この男の自宅はコンビニの近くでバス停とは逆の方向…傘を取りに戻るには面倒な距離なんだ」
アミティ「うんうん…」
シェゾ「しかも、包丁とまな板を買った点から家族一緒ではなくアパートやマンションに一人暮らしなんだろう」
リデル「確かに…一人暮らしの男の人ならしょっちゅうコンビニを利用している可能性が高いかもです…!」
アミティ「どこの誰か分かるかも!」
Dシェゾ「そうと決まればそのコンビニに行ってみるぞ!」
シェゾ「男はクロニンをどうしても今日中に欲しいんだと言っている…!今日中にモグラ団子を作って誰かに食べさせる気だとしたら…!急がないと間に合わない…!」
コンビニの男性店員「茶髪でメガネに20歳前後で身長170センチぐらいの男ね…うちのお客さんにそーゆう人多いから…」
シェゾ「14時50分にビニール傘を買っているんだが…」
コンビニの女性店員「もしかしたらあの人かな…?」
アミティ「え!?」
リデル「知っているんですか!?」
コンビニの女性店員「ええ、時々来るお客さんだけど…」
シェゾ「名前や住所、分からないか!?」
コンビニの女性店員「さあ…でも近くに住んでるんじゃないかしら?よくサンダル履いて来るから…」
リデル「やっぱり、どこの誰かは分かりませんでしたね…」
シェゾ「仕方ない、手分けして探すぞ」
アミティ「ええー!?」
Dシェゾ「どうやって探すんだ…?」
シェゾ「自転車だ!」
リデル「自転車?」
シェゾ「男が自転車で来なかったのは買ったものを入れるカゴが付いてなかったから、そして男の自転車には間違えなく買ったばかりのこのハンドルライトが付いているはずだ!」
リデル「なるほど…この近くのアパートでハンドルライトの付いたカゴのない自転車を探すんですね…!」
シェゾ「ああ…!間違えないように…Dシェゾ、これ持っていけ」
Dシェゾ「ああ…分かった」
シェゾ「アミティとリデルはこのハンドルライトのパッケージを持っていけ」
アミティ「うん!」
シェゾ「いいか?さっきも言ったように男の自宅はこの近くでバス停とは逆の方向、傘を取りに戻るには面倒な距離にある!見つけたらすぐに連絡くれ!」
リデル「わかりました…!」
Dシェゾ「絶対にその男を見つけるぞ…!」
アミティ「おー!!」
リデル「えっと…これは違いますね…」
アミティ「これも違うみたい…」
シェゾ「男がわざわざハンドルライトを買ったのは…今夜自転車を使うからだ…!でもちりとりとボールは…一体何に使うんだ…?」
Dシェゾ「これだ…見つけた!」
リデル「Dシェゾさんから連絡です…!」
アミティ「男の物と思われる自転車を見つけた、だって!」
シェゾ「でかしたぞ!Dシェゾ!」
アミティ「Dシェゾー!」
リデル「例の自転車を見つけたんですね…」
Dシェゾ「ああ、この自転車だ」
シェゾ「ここのアパートの住人か…」
Dシェゾ「でも、どの部屋の人なのか…」
アミティ「隠れてみてみようよ!出てくるはずだよ」
シェゾ「そうだな…」
ガチャ
シェゾ「はっ…!誰か出てきた…」
男「フッ…」
リデル「身長170センチくらい…痩せ型で黒っぽい上着に茶髪のメガネ…」
Dシェゾ「あいつか…」
シェゾ「間違えないな…」
アミティ「追いかけよう!」
男「ここで停めて降りて…」
アミティ「あれー?どこに行ったんだろう…」
リデル「見失ってしまいました…」
Dシェゾ「みろ、あれ」
アミティ「どれ?」
Dシェゾ「あの男の自転車だ」
リデル「ここで自転車から降りたって事は…」
シェゾ「この近くの家の中に入った可能性が高い…」
Dシェゾ「一軒一軒調べるか…」
アミティ「ええ!?あたしあの路地行くのはやだよ!だって広いお庭のおうちがあってあそこにはよく吠える大きい犬がいるの!」
シェゾ「犬…はっ!!もしかしたら…!!」
男「手袋はめてこの団子をちりとりに乗せて…」
犬「グルルルル…」
男「このカラーボールを…えい!!」
犬「ワン!ワンワンワンワン!!」
男「この隙に団子を…」
シェゾ「やめとけよ」
男「…!?」
犬「クウン…?」
シェゾ「今お前がやろうとしてる事…れっきとした犯罪だ」
男「なっ…」
犬「ワンワン!!ワンワン!!」
男「うわっ!?逃げろ!!」
Dシェゾ「逃げても無駄だ!」
リデル「お兄さん村上って名前ですよね…!?」
アミティ「住んでるところも知ってるんだから!!」
村上「何!?」
犬「ワンワン!!ワンワン!!」
「あら…?」
「何かしら…?」
ざわざわ…
村上「くそ…人が沢山集まってきた…」
シェゾ「どうする…?村上さん…これでもまだ逃げるか?」
村上「こうなったら…この棒で…」
Dシェゾ「はっ…!」
アミティ「ああっ…!!」
リデル「ひゃっ…」
村上「おりゃあー!!」
シェゾ「させるか…アレイアードスペシャル!!」
村上「なっ!!うわあー!!!!」バタ
アミティ「やったあー!!」
リデル「さすがです…シェゾさん…!」
この後住民の通報によって村上は逮捕された
アミティ「今日もDシェゾに勝てなかったー!!」
Dシェゾ「だから言っただろ、俺に勝つには練習しろって」
アミティ「ううっ…んでもって!今日もゲームの後はフードコートでみんなでアイス!!」
リデル「今日もアミさん達とアイスが食べられて嬉しいです…」
Dシェゾ「闘いの後のアイスは格別だもんな」
アミティ「いやーでもまさか、モグラ団子を食べさせようとしていた相手が犬だったとはね…」
シェゾ「プリンプ署の刑事から電話があって聞いたんだがあの男、毎日お気に入りの散歩コースを行くたびにあの犬が猛烈な勢いで吠えかかるからいつか殺してやりたいって思ってたらしい」
リデル「まあ…」
Dシェゾ「そんな事で動物1匹の命を…」
アミティ「まあでもあの犬ほんとによく吠えるんだよね…」
シェゾ「そんな時に本でモグラ団子の事を知って、昨日あの家の前を通ったらたまたま家族が全員で1泊旅行に出かけたのを知って急に実行する事を決めたらしい」
リデル「団子を食べさせて動けなくして、その間にあの棒で殴って殺すつもりだったんですね…」
アミティ「でも、遊びのつもりでやった献立推理ゲームがあの犬の命を救ったってわけだね!」
リデル「そうですね…!」
Dシェゾ「またやろうじゃないか、俺さっきレシート4枚拾ったんだ」
シェゾ「拾うなよそんなもん…」
Dシェゾ「読むぞ、えっと…刺身、マヨネーズ3つ、カップ麺…」
リデル「カップ麺の上にお刺身がのって…」
アミティ「更にその上にマヨネーズ3本分…」
Dシェゾ「うわ…」
リデル「えっ…」
アミティ「なんかやだな…」
シェゾ「なんか俺…気持ち悪くなってきた…」
おわり