突然のTの登場
予期せぬ展開に私はその場に無言で固まる…
Tはお釣りと商品を受け取ると
私をじーっと見つめると
静かに口を開いた…
『…後ろにお客さん並んでる…』
( ゚д゚)ハッ!
っと我に返るココ(少女時代)
あ!邪魔だよね!!ごめん…
Tに促されコンビニの外へ…
コンビニの袋を持ち私の前を歩くTの後ろ姿に向かって
『…ねぇ!T…!びっくりした!!』
と…精一杯の第一声を掛けると
彼は振り返り
『待っててくれたかと思ったのに…』
『え?』
『さっき、僕が『待ってて』って言ったの聞こえなかった?』
そんなこと言われた覚えなんてないよ?
……あ!もしかして
さっきの口パク?
だとしたら…
あの距離感
通常時のTの声量…
聞こえる訳ねぇ。
『僕が、車に乗る前に言ったつもりだったんだけど…』←やはり
『うん。聞こえなかった。』
『だよね…でも…会えたからよかった。』
(完全に…トゥンク♡)
『あ。でもさ、車に乗って…帰っちゃったと思ってた。』
『うん。ファンの子たちにバレない様に遠回りしただけで…すぐそこの居酒屋で打ち上げしてるよ。』
『そうなんだ…じゃあお店戻らなきゃだね。』
『ううん。僕ね、お酒もあんまり飲めないし、ああ言う雰囲気苦手なんだ。だから抜け出して来ちゃった…。』
コンビニを後にして話しながら人気のない道を選び少し歩いていくと住宅街の中にある小さな公園に着いた。
公園のベンチに並んで座ると
『はい』
Tがコンビニで買ったお茶を手渡してくれた。
『あ。お金…』
お財布を出そうとすると
『ホットドッグのお礼だよ。』
って…
トゥンク♡←(2回目)
私はお礼を言って
お茶を受け取った。
『あ。名前聞いてなかったね…』
『ココ。』
『ココちゃんって言うんだね…
ほんとはね…ココちゃんと話したかったから…一度○○←(ライブハウス)まで戻ったんだ。でも、もう誰も居なくて…駅に行けば会えるかも知れないって思って…走った。そしたらコンビニの中に居るのが見えたから。』
『Tって走るの?(笑)』
彼の風貌からは走る姿は想像がつかない。
その姿を想像しながら思わず笑う私に
『僕だって走るよ。でも…すっごく久しぶりに走った…たぶんもう一生走らないと思う。(笑)』
って彼も笑った。
『私もTに会いたいなって思ってた。』
『よかった…会えたね!』
『うん!会えたね!』
二人ともニコニコ顔で
今日のライブのことや
好きなバンドのこと…
お互いのことをたくさん話した。
『あ。そー言えば…Tがライブ始まる前に『僕のこと好きになるよ』って言ったじゃん?私ね、Tのこと好きになっちゃったよ。』
『え?!ちょ…恥ずかしい…』
Tは両手で口元を覆うと
何故か照れまくっていた。
さっきまで
『僕のこと好きになるよ。』
なーんて自信満々で言ってたくせにね。
続く