僕の仕事は日本人の所で働くフィリピン人を育成し、
日本人が海外でゆとりある生活をできる手助けがしたい。
ということをやっています。そんなわけで今回は


セブに住む日本人として。その①です。

ちょっと抽象的ですが、今僕のできること、
今後目指さなければいけないこと。について語ります。

日本の医療・介護は破綻が見えている。
いろんなメディアで言われていることですが、
僕はコレを実感を持って知っています。
日本にいるときは介護士をしていたからです。

そこで見たのは介護を受ける人、市の担当者、
主治医、担当する介護事務所と介護士たち等々。
そんな介護の現場に携わる人たちの中で
もっとも助けを必要としているのは実は

要介護者の家族でした。

段階的に介護をするようになった方、
急な病気や事故で突然介護をするように方。
状況も要介護度も様々ですが、共通していることがあります。

介護を受ける人は家族に対して「申し訳ない」という気持ちがあって、
でも「家族なんだから助け合って当然」という気持ちもあって、
家族もまた「家族なんだからやるのが当たり前」という気持ちがあって、
でも「やらなければいけない」という気持ちもあって、
相反する一面が天秤のように行ったり来たり・・・
そんな心境をお互いに抱えてしまって辛くなったり、
「人に迷惑をかける」とか「自分の親なのに他人に頼むのは無責任」とか
そんな風に考えてしまって介護士を使わずに
精神的にも肉体的にも疲れきってしまう。
そういう人たちをたくさん見てきました。

そして介護をしていて利用者様、ご家族様、周囲の人によく言われていたのは
「世話かけてごめんね」とか「介護士って偉いね」.です。
感謝していただいて本当にうれしい。でも仕事なんだから当たり前とも思う。
だから僕は介護士としていつも言ってました。

「介護士は介護をする為にいます。当たり前の事をしています。
 介護を任せるのは無責任でもなければ、迷惑でもありません。」

本当に、素直な気持ちでそう思っています。
でもその当たり前が出来なくなってしまうのにあと10年も掛からない。
それが現実です。
いずれ日本の介護は当たり前ではなく、一握りの人の為のものになるでしょう。
介護を必要としている人も、介護をしたいけどできない家族も置き去りです。

だからこそ僕はセブに住む日本人、
海外に出て新たな可能性を見つけた日本人として

「行き止まりじゃないですよ。こっちにもっと良い道がありますよ」

案内することができたなら、それはとっても意義のあることだと思うのです。
今すぐ解決できない問題も山済みです。
正直に言えば今すぐ要介護度の高い方をご案内することはできません。
でも3年後、5年後に介護というものが見えてきている方や、
そのご家族に対して、その時に向けての準備をお手伝いすることはできます。

次回は
それはなに?どういうメリットがある?本当に安心?
といった点について語りたいと思います。

今回はこの辺で。

ノシ