☆入れ歯なき母の口元すぼまりて年代物の梅干しに似る
昨日は故郷へ父の墓参り
向かう途中の農産物直売所でお花を買い、きのこ汁うどんで腹ごしらえ
生前、父が地粉を足で踏みながらこねて、うってくれた手打ちうどんの味に似ていた
懐かしい味
お寺に着いて、お堂を見上げると、狛犬と龍の彫り物が同居していることに気付いた
来るもの拒まずのおおらかさを感じた
父の墓に手作り歌集の印刷の無事などを祈る
いつになっても歌集を出版しないので、歌会の先生に資金がないからだと思われていたよう
無利子で三十万円なら貸してあげると言われ、大ショック
丁寧にお断りして、急ぎ、近くの印刷所に頼んできた
なんと、三十万円以内で刷れるとのこと
不思議
これも亡き父からの応援だったのかなあ
その日の朝は揚げ物を食べたり、水洗トイレの汚れを拭く夢で目覚めた
これも行動を起こすようにとのお告げだったよう
父のお墓に感謝の報告をした
それから、施設の母を訪問した
母は入れ歯があわなくなり、歯茎のみ、さらに歩けなくなり車椅子
今のところ、私の名前はわかっている
しばらくとんちんかんな会話にお互い笑いながら時を過ごした
階段があるお墓詣りに連れて行けなかったのが残念であった
心も天気も穏やかな小春日であった



