任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。
夕刻近くになると、山岳兵が慌ただしくなる。
試合の時間が近づいている。
今日はグラディス・プラマー
ジュリアーナ・コルテスの試合。
アトラス
(少し前まではただ観戦していたが……
これからは同じ山岳の仲間でありアリーチェのライバル……)
アトラスはじっと試合を見守っていた。
勝者はジュリアーナ・コルテス
会場はグラディスの負けにどよめいた。
アトラス
(グラディス・プラマーのほうが実力は上だが……今回は運もコルテス家に味方したか)
ジュリアーナのステータス↑
グラディスのステータス↓
(アリーチェの実力はまだまだ足りてない……数年は先輩方の肩を借りて鍛錬に励むしかないか)
山岳兵団の実力の高さを再確認し、そんなことを思いふける。
山岳区を降り森にくると、探索終わりらしいシャルルの姿を見つけた。
アトラス
「お疲れ様、探索どうだった?」
シャルル
「悪くない成果だったよ。
もう少し歯応えがあっても良かったな」
シャルルは随分余裕そうだった。
アトラス
(シャルル楽しそうだしすっかり騎士の顔だな)
シャルル
「結婚おめでとう
お幸せに………って
言うまでもなく幸せそうだよね」
アトラス
「はは、それほどでも」
シャルル
「はいはい、オレもあやかりたいよ」
アトラス
「そういうシャルルはどうなんだよ。そろそろ彼女にプロポーズしてもいいんじゃないか?」
シャルル
「うーん……」
アトラス
「……断られたとか?」
マズイことを聞いたかな?とアトラスは心配になる。
シャルル
「なかなか、勇気が……」
アトラス
「近衛騎士様が何言ってんだよ」
魔物相手に日々戦ってきているのに、彼女には弱いんだなと苦笑した。
そんな近衛騎士様のシャルルだが、
剣から銃に持ち替えてしまった。
以前⭐️3の武器をゲットさせるために性格を
負けず嫌いに変えてからダンジョンに連れていき
ボスの直前で離脱。すぐセーブをして、彼が出てくるのを待った。
無事に剣を装備したので安心したんのだが
ご覧の通り、銃を拾ってしてしまった( ・ ・̥ )
多分、性格を元に戻さなかったから、
負けず嫌いの積極性から??拾ってしまったのかな。体感負けず嫌いって武器拾う気がするんだけど気のせいだろうか??(自分のプレイではそう感じる)
というわけで再びシャルルをダンジョンへ。
彼を本気で応援したいから、やっぱり剣を持ってほしい!
ということでダンジョンへ。
さて今回は何回で拾ってくれるかな??
と思ったら、たった1回で拾った。
運が良すぎる……
忘れず元の性格に戻しておきます。
それでも銃とか拾うときは拾うけど
シャルルが酒場にでも行かない?
と言っているので酒場へ誘う。
アトラス
(チレーナはまだきてないのか……まだ仕事中かな)
店内を見渡しふと思う。
(………なんか帰りずらい……ギリギリまでここにいて時間潰そう……友人と食事ならアリーチェも分かって……くれるよな……?)
上の空のままシャルルと食事をとる。
アトラス
「ああ……もう働きたくない……ここに住みたい」
シャルル
「今日からアリーチェと住めるのになにを言ってんだよ」
シャルルは苦笑した。
シャルル
「家まで送ろうとか」
アトラス
「—え?帰る……のはまだ早いかな……」
アトラスは急に落ち着かない気持ちになった。
そんなアトラスの気持ちを見透かすように、シャルルはアトラスの腕を掴んで歩き出す。
シャルル
「なーに言ってんだよ。新婚なのに遅くまでブラブラしたらだめだろう」
途中でスタニックとすれ違う。アトラスは思わず
情けなくSOSを出した。
1人で帰れると言っているのに2人の会話はアトラスを送ることに決定する。
スタニックはアトラスの肩をぽんぽん叩き、酒場に入っていった。
シャルルはそのままアトラスを連れて歩き出す。
「アリーチェが好きで一緒になったんだろ?悲しませるようなことを初日からするなよ」
ど正論にアトラスは言い返せず、「分かってるよ」と小さく呟いた。
シャルルはアトラスを送ると、あっという間に帰っていった。
アリーチェに会うために何度も訪れた家。
家の中は静まり返り、風が窓を時折打ち付ける音がする。
チレーナたちや他の人たちは、チレーナが宣言した通り酒場で食事をして帰ってくるのだろう。
そんな風に新婚夫婦に気を遣われてアトラスは恥ずかしい気持ちでむず痒くなってきた。
さっさとチレーナたちが帰ってきて、朝になってしまえばいいのにとすら思った。
アトラス
(初日で疲れて寝るという手もある……アリーチェが帰ってくる前に寝ようかな)
アトラスは忘れていたのだ。
アリーチェは、アトラスのこの積極性のなさを補うかのように積極的で大胆であることを。
アトラスがこういう性格なのを分かっていて彼女からぐいぐいくるということを。
寝室に上がろうと思ったその時、いつの間にか帰ってきていた、もしくは2階にいたのかアリーチェがふわりとアトラスを後ろから抱きしめてきた。
アトラスは心臓が飛び出るほど驚いた。
(け……気配がなかった……!?どこから現れたんだろう……)
新妻にこんな風に迫られて、断ることなんてアトラスにはできない。
その夜アリーチェはめでたく懐妊した。
アリーチェには妹がいるのだが、紹介はまた今度。
妹は父チレーナによく似ているのである。
続く。