登場人物たちです↓
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殿をしていたアドルファス、リリーは敵を倒したものの、
巨大な植物のツルにアドルファスは巻きつかれ、地面に押し付けられて動けなくなっていた。
リリーはそのツルを斬ろうとするが次から次へとリリーを捉えようとツルが伸びてくるので助けだすことができない。
「隊長..もう十分です..はやく逃げてください」
「あなたを置き去りにできない!」
「リンゴちゃんやモモちゃん、セイ君..お母さんの帰りを待ってますよ..」
アドルファスはツルにしめつけながら苦しげに続けた。
「このままだと歪みと共に消えることになる。だからその前に..」
「私は..」
リリーはツルを斬りながら途切れ途切れに
「ずっと 龍 騎士になりたかった。 みんなを守れる 龍騎士に...ここであなたを置き去りにしたら、私は一生後悔する」
「隊長、実はおれ、もう長くない気がするんです。だから、数日後死ぬ俺のために隊長がここで死ぬなんてことあってほしくありません」
「そんな..」
「だから逃げ---」
「なに言ってるの!それなら尚更、こんなヘンテコなツルなんて切ってさっさと脱出するの!
好きな物食べて、好きなことして、最後の時間を過ごさなきゃ!
なにが悲しくてこんな薄暗い中で、ツルと仲良く死ななきゃならないの!」
リリーは怒りながらザックザックとツルを斬りだした。
怒りで注意力がなくなったのか、ツルがすっと伸びてきてリリーの腕に巻きついた。
「!!!」
そのツルはリリーの身体を強引に持ち上げ、リリーを壁に叩きつけた。
ゴツンと鈍い男がした。
「..っっ!」
頭を強打し、リリーはその場に崩れ落ちた。頭が生暖かく感じ、それは倒れたリリーの顔を赤く染めた。
「隊長!!!」
アドルファスが叫ぶがリリーは反応できない。
薄れゆく意識の中、リリーの脳裏に、子供たちの笑顔が浮かぶ。
リンゴ、お姉ちゃんだから私がいなくなったら無理しちゃいそうだな。
モモ..とても優しくて女の子らしい。きっとリンゴと一緒にセイの面倒みてくれそう。
セイとまだお出かけしたことなかったな。
一回はしたかった..
どんな男の子になるんだろう..みたかったな..
ジェレマイア..私が死んだら、子供たちの世話ちゃんとできるかな..
でも...
思い残すことは、ないかな...
目の前が真っ暗になった。
だだひたすら暗闇の中にいた。
「リリー!アドルファス!」
足音が近づいてくる。
「ここです!」アドルファスがありったけの声で叫んだ。
バルナバとXが到着すると、
ツルに巻きつかれて地面に転がるアドルファスと、壁際で血だらけで倒れるリリーの姿があった。
「リリーちゃん!?」
バルナバはリリーに駆け寄った。
「隊長は頭を強打してます!」
バルナバとXはツルを切り刻んだ。斧の攻撃に弱いらしく、数分で沈黙させた。
動かないリリーをバルナバは抱き起こした。
アドルファスは巻きついたツルから抜けだした。
「.................バルナバ?」
リリーはなんでここにいるんだろうと目の前で自分の顔を覗き込むバルナバを怪訝そうに見た。
「リリーちゃん、良かった」
バルナバはリリーを抱きしめた。
「時間がないわ!バルナバ、リリーを背負って走って!」
突っ込む時間も惜しいので、Xは指示した。
「分かった」
「え?じ、自分で、あるける..」
バルナバにおぶられる?恥ずかしくてリリーは辞退したが、Xとアドルファスにバルナバの背中に身体を預けさせられた。
リリーはぐったりとバルナバの背中に身を預けた。
「リリーちゃん揺れるからつかまっててね」
バルナバはリリーを背負って、走りだした。
「わっ」
リリーの身体がぐらりと揺れて、慌ててバルナバの背中にしがみついた。
アドルファスが先頭を走る。
「..あんたたち、どういう関係なの?」
Xが小声で言った。
「ど、どういうって」
リリーとバルナバは異口同音にいい、動揺した。
X「息ぴったりね」
バルナバ・リリー「「そんなことない!」」
バルナバとリリーはバルナバの背中越しに顔を見合わせた。
X「........」