こちらの本、不登校傾向のあるお子さんと暮らす家族の方みなさんにおすすめの1冊です。

褒めるだけでもダメ、叱るだけでもダメ。
こどもの気持ちや意見をよく聞き認めながらも、社会とは何かを一番最初に教えるのは親なのです。

社会的にしてはいけないことは小さなうちから注意する、
マナーを守らせる、
学校に行くことのメリットを知らせる、
ゲームやスマホは適度に使わせるが制限もする、
お母さんお父さんにも苦手なことがあってそれと向き合って生きていることを子に自己開示するなど。

つまりは、日常生活において、自分の思いどおりにならないことなんて多々あるのだから、周りに合わせることや自分を変えようとする努力をまずはやってみようと促すことが大切。

本当に環境や他人が悪いときは、大人が動くべきときなので、それについても子の話を日頃から少しでもいいので聞き、考える必要がある。

ただし、子の話をよく聞いてもすべてを鵜呑みにしてはならない。

問題がある時に、子が成長して困難を乗り越えるにはどうしたらいいかという視点で、一緒に考えてほしい。

それがないと、
極端な話
学校外で犯罪をしてしまったときですら
「学校が悪い」の一点張りになってしまう。

この本では
『押し返し』
というワードが繰り返し出てくる。

子の思いどおりにならない理想やわがままの波に対して、
親や学校が適切に指摘をして
押し返してやることが大事だという。


「どうしたらいいんだ」と子に葛藤させることが子の成長につながる。

ある意味で、これができないような関係性であるならば、
まずは信頼関係をつくるのが先だし
コミュニケーションをとれないような心の病や発達の遅れがあるのなら、
学校どころではなく病院に行ってほしい。


親子で、「ありがとう」「ごめんね」「何かあったの?」とお互いに言い合える存在になれたらよいので、まずは楽しい話をなんでもできて、親からも子に悩み相談して、親子間で相談してよい雰囲気ができたらよい。


あと、中学校の先生には、全日制、定時制、通信制、高等特別支援学校のちがいをよく理解して、すべての生徒保護者に説明してほしい。

全日制、定時制は、出席することで単位を習得できる学校だから、リモート対応なんてそもそも考えていないし、登校しないで卒業することはできない。
(入学後に病気や怪我で長欠になった場合は配慮することもある)

 定時制は制服のありなしで、年齢層や雰囲気が全然ちがうので、必ず見学してから決めてほしい。

通信制についても、スクーリングの量が学校によって全然ちがう。スクーリングがある場合は、それを欠席してしまえば単位認定が難しくなる。たぶん、これが落とし穴?
(スクーリングがほぼない学校もあるので、そういうところを選べるわけだから、スクーリングがバンバンある学校はむしろ学校があることが魅力になっている。そのルールに従わなければならない。)

ちなみに、高等特別支援学校は高校じゃないので、高校卒業の資格はとれませんが、配慮がとても手厚いですし、職業訓練が充実しています。

登校不安がある場合、入学前に問い合わせるのが一番大切。

でもやっぱり、
子が自分で選んで入った学校であるなら、
親御さんとしては応援して、励まして、できてることを認め褒めながらも、ダメなことやルールはしっかり伝え向き合わせてほしい。

それは、とてもとても大変で、有り難いこと。

苦にならないよう、楽しんで、子と関わってほしい。

学校のルールという枠組みにはめることが、
社会や会社の枠組みにはまることができる練習になる。









最後に学校の闇をチラッと書くと…



前年度まで許可していたことが突然だめになることがある。

数年間かけて職員が丁寧に話し合った結果として廃止になった場合であれば、まだ説明できるし、生徒保護者も納得がいく。

しかし、誰も納得しないままに変わることがある。

新しく赴任した管理職が、自分の勝手な意見で変えてしまうのだ。

教諭が意見しても、ごり押し。

なぜ?と聞かれても、
「わかりません。」と答えるしかない。

(私だったら、躊躇なく「ご意見ご質問は管理職までお願いします」って言っちゃうかな。)