スーパースタッフの合同会議が終わり鴻池との打ち合わせがある彼女以外は自己申告のタイムシートに認め印を貰っている最中だった。



何気なく見えてしまった内田のタイムシート…





170時間は異様な残業時間だった。



通常スーパーといえども140時間が普通だった。



鴻池との打ち合わせの中で彼女は内田の残業の話を切り出した。



鴻池は何の躊躇もせずに





『困ってるですよ。朝行く筈の支店には来ないけれどと言われ、誰の業務後研修をしているかもわからない…アウ゛ァンティの部長じゃあ、話し合わせる訳にいかないでしょう』



アウ゛ァンティのH部長はM銀行が慰留してほしいと頼まれたスタッフすら慰留出来ずアウ゛ァンティ社からもM銀行からもその点の信用が全くなかった。





『とりあえず様子見ましょう。』





しか答えられない。





金銭絡みの下手をすると業務上横領となる。



それから鴻池は内田の動向に目を光らせた。





朝予定の支店に入らない。





1時間待ち連絡するとメール送信エラーだった…と内田は答える。





相変わらずタイムシートには残業が記載される。





『アウ゛ァンティ社の黒井に相談して残業の有無を確認しましょう!』





と彼女が言うと鴻池は





『僕からだと事が大きくなるから…』





と結局彼女がアウ゛ァンティ社の黒井にその話をした。



何故内田は鴻池に疑われていると感じないのだろう。





頻繁に続く内田の水増し請求。





既に外部にも漏れ始めていた。



内田と会った際それとなく注意もした。





彼女の中で金銭絡みに関わりたくない気持ちがアウ゛ァンティ社に任せた事で内田の件は聞かなかった事として片付いた筈だった。