3日目から異様な雰囲気を醸し出す一年生に強力な助っ人が現れる。
サービス課長代理だった。彼は一年生の頑張る姿に自分の仕事を後回しして後方支援してくれた。
金田は一見気難しい装いを呈しながら人情に厚い男だった。
銀行の中で後方支援が無ければ、いくら成績を上げても無駄になる。
金田の協力と一年生の熱い思いは確実に成績が上がる。
目標の40件は突破した。
高岡は毎日が称賛の日々となりM銀行各支店~本部調査役が見学に来る。
今や新人行員は一年生となりM銀行に新たな金字塔を立てようとしている。
若さとは素晴らしいものだった…と彼女は振り返る。
彼らはM銀行の行員としての誇りと社会人としての虹を我が手で掴み本来の持てる力を発揮したのだ。
それは彼女の力ではなかったのだ。
彼女は有能な人材にエッセンスを落としただけなのだ。
そして、必死に働く後輩に金田の男気が成長を与えた。
前代未聞の1日で52件といった数字を打ち出して。
優秀な人材を活かすも殺すも周りの大人次第。
『新社会人を育てる愛情は与える側にも受け取る側にも信頼というパイプが必要なのよ。』
と彼女は言った。
私は優秀な人材に巡り逢えたから…そして一緒に育てようとしてくれたサービス課長代理がいたからM銀行も変えられた。
今金田は九州にいる。
『逢いたいわね。人としても最高の男だった』
もう彼のような剥き出しの男はいないだろう。
保身と隠蔽の銀行には…
5日目記念写真を撮った。
入江山、小菅、徳井、蔵田は満面は笑み~達成感を表し2名の女性行員は彼女に寄り添う写真だった。
虹を掴んだ阿修羅は生涯どんな形にせよ…社会人としての矜持を持ち続け生き行くだろう。