転職活動をしていた。
絶対やめてやる!っていう決め手は無かったけれどもう一回チャレンジしてみたい。という漠然とした理由だった。
環境を変えてもう一回戦ってみたいと思った。
でも…現実は甘く無かった。
転職サイトに登録するもやっぱり引っかかるのは内服と既往歴と装具について。
クリニックでは既往歴のてんかんとベーチェットが何かあった時に対応できないから基本的に拒否される。
総合病院では装具がある場合、障害者雇用としてなら話を取り合ってくれる。とのことだった。
障害者雇用…
私の考えはぐるぐると目まぐるしく迷う。
障害者手帳の取得…足の麻痺は全く変化が起こっていないところを見ると取得はできるだろう…
ただ今、一般雇用されて働いている。そこをわざわざ障害者雇用に変えてまで転職するメリットはなんだろうか?
たまたま長期入院していた病院のリハビリの先生達とご飯を食べに行くことになっていた。
その時に転職の話をした。医療従事者的には え?なんで装具があったらダメなの?という反応だった。
自分が思ってるより周りは障害者だとは思ってないのかもしれない。
知らない間に転職活動とかでも障害者雇用と言われすぎて自分の中で障害者というレッテルを貼っていたのかもしれない。
でももう周りどころかあんなに底辺(杖二本に数々の点滴)にいた頃の私を知っている先生達からみても普通に見えることが嬉しかった。
それは先日会ったICUの頃の主治医からも、もう分からないくらいです(^^)リハビリのことで困ったらお聞きしますね!なんて言ってもらえるほど私は普通の人間になったんだと思ってた。
そんなことを考えていたある日の仕事。
初回のリハビリを担当した新患さんの一言で私は崩れた。
ズボンの裾がめくれ装具が見えてしまった。
別に隠してたわけではない。でも極力見えないようにしていた。
それを鋭く見つけた患者さんは私に言った。
あんたそれなに?
と。
あ、いや…と答えに私は詰まってしまった。
そんなのつけてる人が担当で大丈夫なのかね。
そう冷たく言い放たれた。
でも私ももう大人。
冷静にご希望があれば担当変更が可能なのでお伝えください。と伝えた。
まぁ、別にしっかりやってくれればいいけどさ。
と気まずい雰囲気が流れる。
患者さんをみているときは一生懸命で考える暇がなくて良かった。
家に帰って考える時間が出来た時、私は悩んだ。
もし自分の親が入院していて担当者が肢体不自由だったら、万が一転びそうになった時に支えられるのか不安にならないか…ということ。
実は自分が知らないだけで家族見学の後に何か言われてるのではないのか。
再び頭をよぎる障害者雇用の文字。
障害者雇用だから守られる訳ではない。
障害者雇用だから装具が許される訳ではない。分かってはいる。けどあまりにも直接言われたダメージは大きかった。
翌日から靴下を履き装具をはめ、さらに靴下を履き隠した。
しかしその一枚で私の足は悲鳴を上げた。いつもより足が余計上がらず引きずるようになった。
もっと明らかに足が悪そうになり靴下を脱いだ。
たった一枚。それでもこんなに脆いものか。とさらに落胆する。
担当変更リスクがあるため、私は職場長に意見をもらおうと伝えることにした。
気にするな。 そんな一言で終わることを覚悟していた。
返答は意外なものだった。
それはおかしいと思うよ。会社が問題ない。という判断のもと採用しているのであってそれをとやかく言われるのはおかしい。
それに今までだって一度も事故を起こしたことはない。もしまだなんか言われるようだったら俺が話をする。と。
私の迷いは一気に晴れた気がした。
頭にかかっていたモヤが晴れた。
私はちゃんと認められて働かせてもらっている。
あんなにも長期入院や病気で迷惑をかけた。
それでも認めてもらえている。
たしかに装具はないに越したことない。治るものなら治したい。そして治る可能性にかけて手術だってした。
でも変わらなかった。
でも、それでも、認めてくれている。
それだけで十分だった。たった1人でもいい。別に普通の人と変わらない。そう思ってくれる人がいるだけで私は頑張れる。
転職活動なんて必要無かった。
今の環境の中でどうやって挑戦するかは自分次第だと思った。
辛いことが多いこの人生だけど見てくれてる人もいる。それだけで明日も頑張れる。
なんだかまとまりがなくなってしまった。
でも一つ言いたいのは
自殺したいほどの苦しみは誰にだってあると思う。私だって過去のブログを見て頂いたらわかると思うけれど何度も考えた。手日記には幾度となく死にたい。と字にならないような字で書いてあることがあった。
でもそれでも必ず終わりは来る。
多かれ少なかれ山や谷はずっと続く。
でも見ている人は必ずいる。
自分の見えないところで評価してくれてる人は必ずいる。
SNSでもいい、日記でもいい。どこかに吐き出す場所があれば少しでも救われる人がいるといいな。
私も正直諦めたい人生だった。
でも少しでも前に進んでいるのなら遠回り、立ち止まりの多い人生だけど…浮き沈みの激しい人生だけど少しは頑張る自分を褒めてあげたい。
