例の腐った焼き菓子の件が、まだ巷を騒がせているようです。
大手スーパー主催のフェスで、当日朝に「焼き菓子の出品取りやめ」の連絡を受けた事業者がいるというニュースがヤフーに載っていました。
それに付いたコメントたち、
個人商店の焼き菓子に怖さを感じる、フェスで買う気になれない、出店しても売れない、
と疑心暗鬼に満ちたものばかりでした。
もし、今まだパン屋やってたら、若干影響を受けてたかも知れないなぁと思いつつ見ていますが。
私がやっていたパン屋さんは、山の中の小さなもので、若い(当時は!)女性が一人で切り盛りしているお店でした。
そういうお店って、典型的には「無添加・国産小麦もしくは米粉・天然酵母」を売りにした不味いパンを売ってたりしますよね。
ということで、そういうのに興味のなかった私も、一応それを扱わない理由くらいは考えたのでした。
今回関連があるのは無添加という点ですが。
これって、そもそも定義が分かりません。
例の菓子店もベーキングパウダーは入れてましたが、それは添加物じゃないの?
それに、添加物NGにすると市販のベーコンソーセージなどや、加工された製菓材料が使えなくなり、特殊な高いものを買うか、全部自作するかになります。
自作した副材料それぞれに対しての使用期限も、安全に考えないとなりません。
つまり、あらゆる副材料を安全に自作できる技術と知識と体力が必要になります。
あと、添加物についての深い知識も必要と思います。
なので技術も知識もない自分は、一般家庭で手作りする程度の添加物使用にとどめる、というラインを引きました。
無添加を謳っているお店は、すごい勉強家だなぁと思います。
もしくは。。。
うちは都会じゃないから、知ってる範囲にそんなにお店があるわけじゃないですが、無添加を売りにした個人商店は見たことがありません。
無添加って言えばお客さんは喜ぶけど、そう簡単に出来ない、ということだと思います。
でも、手作りのものに不要な添加物をたっぷり入れています、という意味ではないですが。だから消費期限が短いですね。
全部のお店がそうだ、とは言えないけれど、少なくとも私は、自分の作るものが人の命に関わると思いながら製造していました。
世の中の多くのパン屋さんお菓子屋さん料理屋さんも同じだと思います。
毎年一度の保健所の講習会、毎回同じような話しでしたが、食中毒に関して事例を上げながらていねいに教えてくれていました。食中毒はキャパオーバーしたときに起こりやすい、ということも教えてくれます。
周りは私より経験が長そうな方たちばかりでしたが、皆さん真面目に聞いていました。
衝撃的な事件だったから、怖さを感じるのも仕方ないと思います。
しばらくは辛抱時かもしれません。
けど、人の噂も七十五日といいます。
パン屋さんお菓子屋さんは、耐えて頑張ってほしいし、お客さんたちもまたおいしい手作り食品を気兼ねなく楽しめるようになってほしいなぁと思います。
客足の減ったこの時期に、大掃除しとけば一石二鳥ですね。