2009年7月28日と29日の話


会社に行くと、社長と取締役(双方とも女性)に呼ばれました。


「足、大丈夫?」

と、社長に切り出された。


先日、たまたま坐骨神経痛が酷くて足を引きずっていたんです。


「普段は痛み止めでコントロール出来ているので、大丈夫です。」


「そうなの。たまたま痛がってるって聞いたものだから。

他の人から又聞きになるのは嫌なので。」


私は7月13日から営業として採用してもらった会社に出勤していました。

半年間は1ヶ月更新の紹介予定派遣という形態でした。


面接の時点で腫瘍を持っていることを正直に話したうえで、社長は採用してくれました。


仕事内容は郵送のがん検診を健保組合に提案していく仕事です。


私は面接時より腫瘍が大きくなっていることも正直に話しました。

でも、私はどうしても仕事がしたかった。

私が頑張ることによってガンの早期発見できる人が1人でも増えるんじゃなかって思っていたから。


その思いも正直に話して、営業活動が無理だったら自分から言いますのでということで、

社長と取締役とは話が終了した。


社長と取締役は私を応援したいと言ってくれました。


翌日、唯一の営業の先輩(女性)から研修を受けていた時、

長時間立ちっぱなしだったので、どうしても腫瘍のある左腰が痛くなってしまい、

それを庇うように少し前かがみになり、机に手をついていました。


「手つかないと辛い?」

と先輩から聞かれました。


「長時間だと…」


「そんなんで営業できる?」


「お客さんの前ではもちろん、我慢します。」


「私は出来ないと思うわ。

ちょっとでも具合悪そうだったら、お客さん遠慮するでしょ。

何でも頼めるって思ってもらえて、初めてスタートラインに立てるんだよ。」


ここまでは、先輩の言っていることは解った。

私も接客業、外勤の畑でずーっと仕事してきたからだ。


お客さんの信頼を得るために無理をしなくちゃいけないのも重々承知していた。


「無理してでもお客様の要望には…」


「そんな顔色で熱意なんかどうやって伝えんの?」


「え?」


「すっぴんだしさ。本来なら、チークでもグリグリ塗ってくるもんじゃないの?」


その日はたまたますっぴんでした。もちろん、外出の予定がなかったからです。

そして、色白ですが顔色が悪いわけではありませんでした。


「それで、私、痩せてるだけですってアピールするもんじゃないの?」


「化粧はします…。」


「大体ね、そうやって(腰を庇うように)話聞かれても気悪いねん。

足さすってる時もあるしさ。入って数日しか経ってないくせに。」


ビックリしました。まさか、そこまで言葉を選ばずに言われるとは思わなかったからです。

もっとたくさん色々言われましたが、ショックでもう覚えていません。


それからも、何かにつけネチネチと言われるようになりました。

でも、私は本来ならそんなこと気にする性質じゃありません。

要は成績で見返してやればいいわけですから。

それに、新入社員で入ったころの会社はいわゆるブラック企業で怒鳴られることなんて、日常茶飯事にあったからです。


でも、今回は違いました。


1番触れられたくない体のことをネチネチと攻撃されると、

どうも立ち上がる気になれませんでした。

ちょうど、MRIの結果もあまり良くなかったところだったし。


でも、社長と取締役とは身体のことについては話し合っており、

方向性も決まっていたので、先輩に言われることではありませんでした。


しかし、その日の夜、派遣会社の人から電話が入り、

「体調のことについて、取締役の方が心配しています。」

と言われました。


先輩から取締役に、私と契約を延長すべきじゃないと言ったようです。


先輩は唯一の営業で(もう1人いたのですが、最近定年退職していたため1人。)、

実質、営業に関しては社長や取締役よりも発言権があるのだと知りました。


翌日、私は取締役に辞意を伝えました。


営業の先輩が病気持ちと仕事を一緒にしたくないのなら、

もう、致し方がありません。


確かに、私は左腰に腫瘍があり、長時間歩くと腰が痛くなるし、

長時間立っていると庇って前かがみになってしまいます。


誰だって健康な人と一緒に仕事をしたいのは当たり前です。

ましてや、営業という外勤の仕事なんですから。


やる気だけでは、どうしようもないこともあるのだと知りました。


本当、歩けなくなるまで仕事に懸けようと思っていたので、

悔しくて悔しくて何度も何度も泣きました。


健康になりたい。

と何度も何度も言いながら泣きました。


今回の仕事は辞めることになりましたが、

健康になって、必ず社会復帰をすると心に誓いました。


悔しいと思ってばかりでは、先行きしません。


私は病気と向き合い、諦めずに治療法を探し、

必ず健康になって社会復帰を果たしたいと思います。


長文を読んでいただき、有難うございます。



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