宮崎作品や名作劇場作品が、当然のことながらたくさん並ぶであろう
今回のトラックバックステーションの御題。
しかし、ひねくれものの綾瀬がそんなメジャーネタに乗っかるハズもなく
色々と過去に見た作品を、思い出してみたら・・・・・・
あった!
この作品は、涙なしには語れません(ノ_;)
まず、ガンダムを作る以前の富野作品ということで、一筋縄にはいかない
設定が満載です。
・ 子供3人がパイロット (睡眠学習で操縦法をマスター)
・ 宇宙からの侵略者 ガイゾックとの激しい戦いに家族親戚総出で挑む
・ この神ファミリー、ビアルからやってきた異星人の末裔
ガイゾックに星を滅ぼされた為に、地球へ逃れてきた生き残り
・ ラストは何とも言えない、悲劇的な終わり方 ←さすが富野作品・・・
何が凄いってこの ザンボット3 なんと地球を守るヒーローという設定で
ありながら、一般人に石を投げられるほど迫害されているんですよ。
普通、ありえませんよね・・・石を投げつけられるヒーローなんて。
でも、よくよく考えてみると或る日突然異星人が攻めてきたとして、
その存在を知っている上に、対抗手段まで持ち合わせている一部の
異星人の末裔・・・なんて人々が居たとしたら、やっぱり胡散臭いし、
『コイツらがいるから、ヘンな連中が攻めてくるんぢゃね?』 なんて
思われても不思議はないわけですよ。
現実問題として、僕らのヒーロー・マジンガーZ♪ みたいにチヤホヤされる
ワケないんですよ、普通の人間社会では。
大多数の人間は異質な物事に対して、排除的な方向へ動くものなんです。
富野監督は、子供向けのヒーローロボットアニメでありながら、そんな
思想を持ち込んぢゃってます。
これがいいか、悪いかは別として やっぱり考えさせられるんですよ。
誰にも理解されずに戦うことが、どれほど悔しいことなのか。
戦いが激しさを増す中で、次々と肉親を失っていくことが、どれほど
虚しいものか・・・・。
ストーリーは、最終的に、主人公の勝平を庇ってともにザンボット3で
戦ってきた宇宙太・恵子も死んでしまい、勝平ひとりが生き残ります。
『俺たち、つまんないことなんか しなかったよな・・・』
勝平がポツリとつぶやくこの台詞が綾瀬の感動ポイントです(T_T)
しかも、このザンボット3、恐ろしいことに劇中に描かれている敵方
ガイゾックによる、当時は荒唐無稽・・・と思われていた作戦の数々が
今現在、世界のあちこちで起こっている自爆テロに通じるものがある
のですよ、今考えると。
名付けて「人間爆弾作戦」なるものですが、次々と人間を誘拐してきて
記憶を消去し、体に爆弾を埋め込んで元の生活へ戻して、周りの人間諸共
爆発させてしまうという、かなり乱暴な内容です。
しかも主人公・勝平の友人も、この爆弾を埋め込まれて、散々ジタバタと
泣き言を並べて爆死していきます。
クチではカッコいいこと言いながらも、人はそれほど格好良く死ねはしない。
爆弾を埋め込まれた人間は、背中の傷で判断され、多くの人々を巻き込ま
ないよう、爆弾人間同士が集まって人のいない所で死んでいく。
そんな過酷な運命を目の当たりにして、勝平は何とか友人を助けようと
しますが、ご先祖様が残したメモリーにも、一度埋め込まれた爆弾を
取り出す方法など記されてはいない。
無力感に涙する勝平・・・・
こんな子供向けロボットアニメが、20年も前に存在してていいんだろうか
と、激しく悩みます。
あまりにも重く、あまりにも救いのないストーリー故、一度お蔵入りした
というのも頷けます。
でも、殺伐とした現代にこそ、この作品を観て欲しい。
戦うこととは?平和とは?家族とは?友人とは?社会とは?・・・
製作当時は、子供向けだったかもしれないけれど、あまりにも考えさせ
られるテーマが満載のこの作品こそ、涙が止まらない感動作かも。
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