※これは実際に私の周りで起こった話です。

                                  なので仮名を使っています。



あなたは人の言葉をまず信じますか。


それとも

一度疑ってから、確信が持てたら

信じますか。



もちろん

人によりますよね。


あたしは

マスクの言葉は一度疑ってから

疑って。疑って。疑って。


彼から「真実」を

見出せそうになったら


その道をたちます。




「好きな相手に好きな人がいたって

俺は頑張るよ。

だって

好きな気持ちは抑えられないじゃん」



そう。

あの頃はあたしも1コ上の先輩

マスクの言葉を全て信じていた。

信じられた。




一途な人なんだって。




私が大学1年生の頃の

サークルでのはじめての合宿。


8月だったかな。

5月からサークルに顔出し始めたから

先輩方とはちょっと仲良くなったくらい。




先輩方は実質1コ上が男6人だけ。

あとは2コ上がいたけど

全然顔出してこなかったから。


同級生はあたしも入れて

男が4人と

女が6人。


少ないサークルだったんだ。

まぁこんなことどーでもいいよね;



言いたいのは、女は4人が

あたしの高校の友達だった。


けどその子たちより

6月に入ってきたシズクの方が

何か話が盛り上がって


仲良くなれたってこと。




夜道

シズクとマスクとあたしの3人。


マスクは自分の彼女のことを

とても大切にしているんだって

話してくれた。




そして

結婚も考えているって。



あたしはまだ大学入って

数ヶ月しかたっていなかったから


そんな重い言葉を

よく簡単に言えるなって


正直驚いた。


けど


簡単に言ったわけじゃなくて

マスクが本気で彼女を愛しているからの

言葉なんだ。

マスクの言い方から

そうあたしは思えたんだ。



「その彼女、幸せだね」


シズクの感想に


あたしは

大きくうなずいた。


「お互いそこまで想いあってたら

きっと結婚してからもうまくいきそうだよね!」

「結婚式はぜひ

あたしとココロも呼んでくださいね(笑)」

「おぅ!

呼んでやるから絶対来いよな!」



笑+笑+笑

一通り

3人の恋愛話が済んだ頃


山奥だったせいか

東京の倍以上もの数の星が

輝いていた。


月明かりだけじゃなく

星にも

夜道を照らすのを

助けてもらっていたのかな


と思うほどだった。





「何かびっくりだよね

合宿でここまでいろいろ話せる仲になっちゃうなんて」


その言葉には

マスクもあたしも同感だった。


「あー楽しかった!

あ。ちょっと待って」


シズクは急にしゃがむと

地面から何かを選び出した。


「はい。手出して」


立ち上がると同時に

目の前にグーの手を

差し出した。


片方があたしで

片方はマスク。


あたしとマスクがその手の下に

手を広げると



そっと

小さな石ころを

のせてくれた。


「これ

今日3人が仲良くなったしるし。」


「ずーっと持ってるんだよ」


うげ。


「捨てるよー!

ただの石じゃん!

ずぇったい 速攻あたしなくす!」


「だーめ!

3人の友情の証を

ココロは捨てるつもり?」


「別にカタチに残さなくても・・・。」


とか言いつつも

石ころはちょっと微妙だけど


嬉しかった。


何か3人がこう

周りの人たち以上に



ながれたみたいで。




マスクはその晩

得意げにその石ころの

絵を描いて


あたしたちに見せてくれた。


シズクはとても喜んで


あたしは

「自分の方がうまい」


と言いたい気持ちを

押さえて


「上手ですね」


と笑顔で言っていた。





今でもその石ころは

あたしの家にある。



二人の石ころは今

どうしているんだろう。



けど


もう二度と聞くことは出来ない。



あのとき一番乗り気じゃなかったのは

あたしなのに。



そのあたしが

石ころの行方を

一番気にしているなんて


おかしな話だよね。



それとも


シズクも思い出したり

しているのかな。



ううん。

シズクこそ

忘れてしまったはず。


記憶から

消し去ってしまったはず。






→続く