横浜、
のみならず日本屈指と言えるほどに、
ワイン流通保管に長ける専門ショップ平野弥さん。
その平野弥さんが直輸入するシャンパーニュの
イヴェントが横浜にて開催。
場所はJR関内から徒歩5.6分ほどの、
ワインバー
Cave de Kazuさん。
今回試飲できるのは、
3生産者、9アイテム。
それぞれのキャラクターをうかがい、
またマリアージュも愉しみながらの和やかな会でした

コード・デ・ブラン、
ル・メニルに本拠地をかまえる、
アンドレ・ロベール
NV Volupte
「悦び」の意を持つシャンパーニュ。
小麦を通り越したような色調に、
力強いアタックを持つ香り。
ピノ・ムニエとシャルドネによるセパージュで、
ピノ・ムニエの果実味と、
シャルドネのフレッシュさとフィネスを演出しています。
ドメーヌが求めているスタイルは古(いにしえ)
ここからアンドレ・ロベールの世界が始まっていきます

会が始まったばかりでド緊張の渡邊氏。
カンパチのカルパッチョ
タコとエビ
続くのはミレジム、
Extra Brut 2007
Grand Cru
100%シャルドネ、
ドサージュは4-5g/リットル、
澱とともに225リットルのバリックで
バトナージュを施しながら7か月間醸造。
ル・メニル・シュル・オジェならではの、
味わいたいアイテムのひとつです

輝く色調に、
イースト香をともないながら清らかさが感じられます。
ブルゴーニュグラスのせいか、
見た目泡の存在感は強くなく、
やはりアタックも優しく、柔らかいもの。
繊細ながら熟成感も感じられ、
ミネラル感が心地よい硬質なタイプ。
アイカタは牡蠣が食べたいと、
何度も口にしていました

そして3つめのアイテム、
Le Mesnil, Millesime 2008
Grand Cru
100%シャルドネ、
ドサージュは7-8グラム/リットル。
澱とともに225リットルのバリックで
バトナージュを施しながら7か月間醸造。
(ミレジム2007と同様)
マロラクティック発酵は行っていません。
感じられる酸がたいへん美しい

と言って、硬さが突出しているものではなく、
熟成のこっくり感もあり、

先ほどのものとドサージュの量が多いからか、
それともミレジムの差か、
2番目の生産者紹介の前に、
新たなプレートが来ました。
ラタトゥイユ

大きくざっくりとカットされた、
ナス、ズッキーニ、エリンギ、パプリカが、
水分を保ちつつ、よく煮込まれています

ラ・メゾン・プネ(アレクサンドル・プネ)
ドサージュの量をゼロ、
もしくは非常に少なくすることによって、
高い品質を誇るシャンパーニュの
フィネスと鮮烈さを、多くのファンに伝えています。
現当主は以前エンジニアとして働いていたという、
異業種経験者。
数世紀を数えるメゾンに戻り、
歴史の担い手となりました。
最低24か月澱と熟成。
エクストラ・ブリュットの名の通り、
ドサージュは6g/リットル。
モンターニュ・ド・ランスの
シャルドネ40%、ピノ・ノワール30%、ピノ・ムニエ30%。
アルコールのヴォリュームを感じさせるアタック。
香りのヴォリュームに相反し、
口当たりはかんきつ系にて端麗。
前職がエンジニアだったという醸造家は几帳面らしく、
ボトルにはセパージュはもちろん、
ベースのワイン、
デゴルジュマンの時期、
ドサージュの量が記されていて、
ボトル裏のQRコードを読み取ることによって、
そのアイテムの情報を得ることができるようになっています。
さすが元エンジニア

Rose Extra Brut
2012年の30%のリザーブワインを用い、
辛口でありながら、
アルコールのヴォリュームも感じさせず、
口当たり優しいフレッシュな酸を伴うバランスの良さ。
ラタトゥイユのパプリカ
とよくあいます


100%グラン・クリュ(モンターニュ・ド・ランス/ブジィ)の
ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%。
30%以上のリザーヴワインを用いています。
ベースは2010年。
最低でも4年の熟成を経て、世に送り出されます。
輝きのある黄金色

香りに熟成感を感じさせる赤い果実や洋ナシのニュアンス

確かに辛口

ではあるものの芳醇で、
余韻の長さに、懐の広さを感じます。
ドサージュなくして、
このバランスの良さを生むためには、
どれだけの熱が必要なのか

こだわりだけでは消費者をうならせることはできませんよね。
素晴らしいシャンパーニュに出会いました

メインは
ローストビーフ

赤身で柔らかいローストビーフ。
柔らかいだけじゃなく、
しっかり旨みもありますね



最後の生産者は、
Waris Hubert
コート・デ・ブランの、
レコルタン・マニピュラン(ぶどう栽培者兼醸造者)です。
アヴィズ、オジェ、クラマン、シュイィ、アイのグラン・クリュ、
その他グローヴ、ビスイユ、セザンヌからなる
ワリ・ユベールの畑から、
コート・デ・ブラン、セザンヌ、ラ・ヴァレ・ド・ラルドルの、
それぞれ異なるキャラクターを活かした醸造をイノックスで施しています。
まずは、
Blanc des Blancs
Grand Cru
アヴィーズ、クラマンの樹齢約25年。
4℃にて72時間(通常半日と言われる)デブルバージュ

のち、16℃にてアルコール発酵。
6か月間イノックスにて醸造をおこない、
11℃に保ちおよそ3年間の熟成が施されます。
100%耕作。
ドサージュは7g/リットル。
輝く色調、
香りからは白い可憐な花を想像させられます。
かんきつ系な味わいから繊細さ、
余韻に漂わせるほのかな甘みから、
可憐さを演出しているように感じられます。
バックラベルには、
と記されています。
かなり個性的な感性ですね

透明なボトル、
前衛的なラベルの、
Millesime 2009
Grand Cru Blanc des Blancs
< 偉大なるフィネス、そしてひとつのミレジメからなるシャルドネ・グラン・クリュの複雑さ>
副名を持つシャンパーニュは、
粘土石灰質土壌におけるアヴィーズのグラン・クリュ・シャルドネ100%。
樹齢約35年。
50%耕作、50%コントロール。
デブルバージュ、アルコール発酵および醸造は前述同様、
11℃に保たれた状態で約5年間熟成、
ドサージュは4g/リットル。
輝く透明感を持つシャンパーニュは、
溌剌としていながら、
桃様なよく熟したフルーツを連想させます。
上品でありながら、
官能美に訴えかけるシャンパーニュですね。
最後は、
Cuvee Equinoxe
Millesime 2009
Grand Cru Blanc dese Blancs
<樽熟成によるシャルドネ・グラン・クリュのエレガントな複雑性>
彼岸という名のシャンパーニュ
72時間、4℃でのデブルバージュと、
16℃でのアルコール発酵。
一部マロラクティック発酵が施されています。
醸造は樽を用いて行われ、
11℃に保たれた状態で約5年間熟成を行っています。
ドサージュは4g/リットル。
確かに、
たいへん複雑な味わいの印象。
アタックは想像ほど強くないにも関わらず、
鼻へ抜けて昇華する香りが様々で、
コンフィチュールのような濃厚なフルーツ味、
マチュア&リッチな風味は、
たまに飲むならこんなシャンパーニュと、
リクエストしたい

また関内の
Cave de Kazuさんも初めての訪問となりましたが、
よいキッカケとなりました

勉強勉強。
ワイン道、1日にしてならず、です
