これは一応・・・薄桜鬼モノです。

が、前にも書きましたとおり、今の佐和の頭の中はキャラが混乱しています。


ので、


Shibuya Deep A で、辻本「総司」くんのあの甘~いセリフに骨抜きにされちゃった方



薄桜鬼の沖田さんを愛してやまない方



は、ご覧にならないことをお勧めいたします☆


あの素晴らしいセリフを投稿されたかた、申し訳ありません。


それでも許す、読んでやるよというお心の広いかたは、最後のほうの



「**************、*************」



に、例の珠玉の一言を当てはめてお読みくださいませ。



珠玉のひとことについては、こちらをご覧ください。


↓↓↓


リアルタイムな祐樹くん☆



:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::




ある昼下がり。



「○○! 総司見なかったか」



のんびり中庭を掃いていると、いつにもまして機嫌の悪そうな土方さんが、ドカドカ足を鳴らしてやってきた。



「あ、えっとあの・・・さっき子どもたちと遊ぶ約束をしているからって、外に」



チッ・・・と舌打ちをして、形のいい眉を寄せる。

相当機嫌の悪いときの、土方さんの癖だ。



「ったくあの野郎、今日という今日は……」



「あのっ、わ、わたしが探してきますからっ!! 行きそうなところ、大体わかっていますし!!」



わなわなと拳を震わせ、全身から湯気でも出ようかというくらい怒っている土方さんを何とか押しとどめ、箒を持ったまま私は屯所を飛び出した。



屯所のすぐ近くにあるお寺の門をくぐると、子どもたちが楽しそうに遊ぶ声が聞こえてきた。

いつもの穏やかな午後の風景。



「ねえ、沖田さん知らない?」



沖田さんは子ども好きで、非番の日には近所の子供たちを集めてはよく一緒に鬼ごっこなんかをして遊んでいた。


新選組のみんなからは


「総司はまたガキんちょたちに遊んでもらってる」


なんて言われていたけれど。



子どもたちもまた、一緒になって泥だらけで走り回ってくれる沖田さんのことが、大好きなようだった。



「そーじ、見つかれへんねん。かくれんぼしてんねんけどなあ、いっつもそーじだけ、なかなか見つけられへんねん」



「なあ、一緒に探してや」



「え?」



「大人やねんから見つけられるやろ?」



「お侍さんやねんろー?」



「ああ、うん、まあ・・・ね」



子どもたちにそう言われて、むげに断ることもできず、持ってきてしまった箒をその辺に置いて、一緒に沖田さんを探すことになった。


ま、いっか。

探さなきゃいけないのは同じなんだし。



口々に名を呼びながら、あちこち探すのだけれど見つからない。

たいして隠れるところもなさそうなのになあ。


それにしても。


子どもたち相手に本気でかくれちゃって……ほんっとに、大人げないんだから。



「沖田さぁん」



「そーじーぃ」



いつもは新選組のみんなが剣術の稽古をする広い境内はガランとしていて、天才剣士だけに、見事に気配を消している。


なんて、変な感心をしてる場合じゃなかった。


土方さん、カンカンだったなあ……。


もう、一体どこいっちゃったんだか。


二手に分かれ、私はぶつぶつ文句を言いながら、緑の生い茂る本堂の裏側にまで足を向ける。



それにしても―――今日は本当にいいお天気だ。



空は濃い青色。



木々の緑の間から、5月らしいカラッとした風が吹き抜ける。


ふふ、屯所に帰ってきたくなくなる沖田さんの気持ち、ちょっとわかるな。


あまりの気持ちよさに一瞬自分の役割を忘れ、胸一杯に初夏の空気を吸い込んだ。



そのとき。



「!!!」



突然何者かに後ろから口と体を押さえこまれ、そのまま木陰に引きずり込まれた。


だ、誰?!


しまった、油断していた。


必死でもがこうとしてみるけれど、身体に巻きついた腕は太く頑健で、びくともしない。


いくら男装をしていても、やっぱり男の人の腕力にはかなわないのだ。


どうしよう。



「んーっ、んーーっ」



小太刀に手を伸ばすこともできず、ただじたばたしていると



「しーっ、大人しくして」



耳元で囁いた声と、袖から覗く麻の葉柄の襦袢。そしてふわりと香った日向と新緑の匂い。


これって・・・・



「沖田、さん・・・?」



誰なのかがわかった途端、体中の血が顔に集まって行く。

この体勢……今、わたし沖田さんに―――



「だまって」



後ろから抱きすくめられた格好のまま、言われた通り息をひそめていると、すぐ横を子どもたちがわーっと駆け抜けていく。



「そーじ、おらんなあ」



「さっきのお侍も、消えてもうたし」



「もう帰ろ帰ろ、なんや疲れたわ」



「うん、帰ろか」



かわいらしい足音が聞こえなくなると、ようやく沖田さんは腕を弛めた。


「ふう。行った行った」



相変わらず自分のペースを崩さない沖田さんに真っ赤になった頬を見られたくなくて、腕が解かれてもまだ後ろを向いたまま動けないでいると



「くす…どうしたの? ○○ちゃん、僕を探しに来たんでしょ?」



なんて、ひょいと姿勢を傾けて、私の顔を覗き込む。


そ、そうだった!


赤くなっている場合じゃない。


土方さんが!!



「あの、土方さんが、すごくこわい顔で沖田さんのこと探していて、それで」



「なあんだ、もうばれちゃったのか」



「え?! ばれちゃったのかって・・・何やらかしたんですか?」



「ちょっと、ね。せっかく来てくれたのに悪いけど、しばらくは出ていかないほうが無難かな」



「もう、そんな呑気なこと言って。帰らないと、わたしまで怒られちゃいます・・」



「くす、よっぽど土方さんが怖いんだ、○○ちゃんは」



「あっ、あたりまえですっ」



言ってしまってから慌てて口を押さえると、さもおかしいというようにくすくす笑う沖田さん。



「じゃあ・・・さ」



「きゃっ」




ぎゅうっ・・・・と再び身体に回された両腕に力がこもる。




「ふたりで」




日向と、新緑の匂いがふわりと立ったあと




右の耳元で、触れそうに近づいた唇がゆっくりと動いた。




「*************、*************」


 



END






空がすっかり夕焼け色に染まるころ


寺の石畳の上に放りっぱなしにされていた箒を、徐に拾い上げる人影がひとつ。



「……あいつら、帰ってきたらただじゃおかねえ……!!」



バキバキッ



そうして鬼は箒を真っぷたつにへし折りましたとさ。


くわばらくわばら。







あははは・・・ごめんなさいあせる