国語の教科書で覚えているものは? ブログネタ:国語の教科書で覚えているものは? 参加中



「ふきのとう」 っていう詩です。


COCO自身が、国語で習って覚えているというわけではないのですが・・・


こどもたちが小学校の低学年の頃、毎日毎日「音読」の宿題で読んでいたので、


毎日聞かされていた私のほうも覚えてしまい・・・


毎年、春先になるとなんと無く思い出します。


恥ずかしい話ですが、最初から最後までちゃんと覚えているわけではなくて、


記憶に残っているのは



   「さむかったね うん、さむかったね」とささやいてます。


   「こんにちは」もうすっかりはるです。



って・・・


どれだけ真ん中を省略しているんだか・・・




ふきのとう  工藤直子
    
夜があけました
朝の光をあびて たけやぶのたけのはっぱが
「さむかったね うん、さむかったね」とささやいてます
雪がまだ少しのこって あたりはしんとしています
どこかがでちいさな声がしました
「よいしょ よいしょ おもたいな」
たけやぶのそばのふきのとうです
雪のしたにすこしあたまをだして 雪をどけようとふんばっています
「よいしょ よいしょ そとがみたいな」

ごめんね、と雪がいいました
「わたしもはやくとけて水になり とおくへいってあそびたいけど」
とうえをみあげます
「でも竹やぶのかげになってひがあたらない」
とざんねんそうです

すまない、と竹やぶがいいました
「わたしたちもはやくゆれておどりたい ゆれておどれば雪に日があたる でもはるかぜがまだこない はるかぜがこないとおどれない」
とざんねんそうです

そらのうえでおひさまがわらいました
「おや はるかぜがねぼうしているな 竹やぶも雪もふきのとうもみんなこまっているな」
そこで南をむいていいました
「おーい はるかぜおきなさい」
     
おひさまにおこされてはるかぜは おおきなあくび
それからせのびしていいました
「や、おひさま や、みんなおまちどう」
はるかぜはむねいっぱいいきをすい ふうっといきをはきました
     
はるかぜにふかれて 竹やぶがゆれるゆれるおどる
雪がとけるとける 水になる
ふきのとうがふんばる せがのびる
   
ふかれて ゆれて とけて ふんばって もっこり
ふきのとうがかおをだしました
「こんにちは」
もうすっかりはるです