ミクニャに

「絵筆」を頼まれて・・・例のおじさんの文具店に久しぶりに行ってきました。


文具店に入ると・・・

相変わらず「半テンポ」遅れのおじさんの元気な

「いらっしゃい!!」

の声・・・


でも、なんだかいつもと声が違うみたい・・・


と、おじさんが立っているレジの前を通り過ぎて、『画材コーナー』に・・・

ふと、おじさんに目をやると、なぜか


分厚いコート・マフラー・帽子(?)にマスクという、

今にも「お出かけ」という装い・・・


「あれ、おじさんお出かけですか?」


「いや・・・今日はさむいからね~」


というおじさんの背後に



「節電中」


という大きな貼紙が・・・

そういわれてみればお店の中が異様に寒い!!

もともと北西向きの店なので、(たぶん)一日中日光が差し込まないはず・・・



エアコンをつけていないから、あの格好なのね~???



と、思いながら「絵筆」を物色していると、

だんだん手がかじかんできて・・・

これは、風邪を引く前にお店を出ないと・・・

と、いそいでレジへいくと


おじさん、ゴホゴホと派手に咳き込んでいる・・・


「おじさん、エアコンをつけたほうがいいんじゃない?

 風邪を引いたら元も子もないし・・・」



「大丈夫!!大丈夫!!モモヒキはいてるから・・・」



といいながら、あいかわらずゴホゴホ・・・

「よけいなお世話かもしれないけど、風邪を引いてるみたいだし。。。」



「あぁ~そうね・・・

 いいんだよ!!老人医療だから。。。電気代より安いし!!」



って・・・

そういう問題じゃないでしょ~???


そんな会話をしながら、おじさんの手元をみると震えながら

紙袋をひらいて「絵画用のバケツ」を入れようとしている。

のだけれど・・・

紙袋の口の直径がね~どうみてもバケツの直径よりちいさい!!

しかも(ご存知の通り)

今時、よそでは絶対に使っていないと思うくらいペラペラの紙袋だから

当然、ビリビリと・・・


「おじさん・・・それ、入らないんじゃない?

 家で使うものだからそのままでいいですよ!!」


というと・・・


「そうかい?わるいね~」


といいながら、また別の袋(といっても、さっきと同じサイズ)を片手に、再チャレンジ・・・


「(だから・・・)いいですよ!!袋に入れなくて!!」


「いや、こっちなら入ると思うから・・・」


いや・・・絶対に入らないと思うけど・・・

それ、さっきと同じサイズの袋だし・・・


あぁ~また破れちゃったじゃない!!


「あっ・・・やっぱり無理みたいだから、いいですよ!!そのままで・・・」


と、再び言うと、


「そうかい?悪いね~!!じゃ、これ!!」


って。。。

その絵画用のバケツの中に、一緒支払いをした「付箋紙」とか「絵筆」とか、こまごましたものを

全部まとめて突っ込んで・・・


「はい!!まいどあり!!」


って・・・


あの~????

そのこまごましたものだけ、紙袋に入れよう・・・とは、思わないのね~????