「やった」
全てがうまく行った。
涙をこらえるのに必死だった。
でも、涙はきっと俺の目にはたまっていた。
笑顔が。
泣いてる。
また笑顔、笑顔、笑顔、
・・・笑顔。
泣き笑い。
笑顔。笑顔。
ああ。
見たかった。見たかったんだ。
あまりにも渇望していた。
こんな景色。
この瞬間の為に俺はやってきた。
「うまく行った」
360°全方向からとめどなく沸き起こる拍手、喝采、歓声・・・
幸せが身体中に流れていた。
身体中の先まで隅々に溢れ返っていた。
「ありがとう」
無意識のうちに口に出てくる言葉。
楽しい、、、楽しい。
ああ!楽しい!

俺、今すっげぇ楽しい!
キス&クライに戻って来た時、突然脳裏に甦った事がある。
「ユヅルお兄ちゃん、優勝したら『茉実~~!』って手を振って欲しいの」
仙台で今も毎日アイリンで頑張っている茉実の姿だった。
あ・・・そうだ。約束。
茉実。
点数がコールされた。

自然に口をついて出てきていた。
あ・・・やべぇ。
これって夢の中の事だったんだっけ。
口に、声に出してしまった。
もう遅いや。口に出しちゃったもんは取り消せないし。
インタビューとかで聞かれたら何て答えようか。
ユヅルは初めて表彰台に上がった中学1年の頃の事を思い出していた。
こんな感じだった。
もう嬉しくて嬉しくて仕方なくて。
勝った時の嬉しさが昔も今も同じだ。
それだけで大いなる喜びだった。

「・・・ママ、ママ!」
茉実はキッチンにいる母親を呼んだ。
「どしたの?」
「お兄ちゃんが、今ね、ユヅルお兄ちゃんが」
「あ、ユヅル君出たんだ。上手だった?」
「あのね、茉実、勝ったよ、って」
「え?」
「キスクラでね、茉実に話しかけてくれたの」
「茉実に?ほんとなの?」
「早く早く見てみて」
「まだやってるわね。あら!凄い点数!よかったわね」
「ママ早く」
「まだ番組終わってないから、片づけ終わったらゆっくり録画観るわよ」
「うん・・・」
茉実は必死に思い出そうとしていた。
「すっごくウレシイけど、でもなんで茉実のこと呼んでくれたんだろう」
あ・・・待って。
いやでもあれは茉実が見た夢の中の話だよ。
おんなじ夢見たのかな?
え?ゆづるお兄ちゃんとおんなじ夢?
そんなことあるの?
・・・マミって別の女の人のこと?
ユヅルはバルセロナから日本に帰国した。
次の試合が日本である為だ。
やべぇクリスマスも家族で一緒だ!
ユヅルは気になる事がひとつあった。
12歳の俺が20歳の俺に会いに現代にやってきたように、
今の俺がちょっと未来に行くことは出来ないだろうか。
・・・23歳の俺に会いに、未来へ。
夢の中ではあるけれど。
自分の意志では行けないから、夢に出てきてくれないと困る。
それにはどうしたら?
ユヅルはふっと我にかえって思わず笑った。
「バカだ、俺。今すっげえあり得ねぇこと考えてた」
「ユヅル。次は上海だぜ。上海でも一緒に台乗りしようぜ!あっ、ただし」
「ただし・・・?」
「次はオレが真ん中だ」
クラブメイトのハビエルとまた約束しちゃった。
「わりーけど、でも僕がセンターだから」
「負けねえぞ」
男の兄弟がいたらこんな感じなのかな?
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
Part3に続くm(_ _ )m
僭越ではありますが、この短編を全国のマミさんに捧げます。
ゆづがファイナル勝ったら続編書こうと思ってました。
で、是非これを言ってもらおうと思ってました。
「マミ、勝ったよ!」ってね(≧ω≦)
さて。
ユヅルは無事未来で23歳のユヅルに会う事は出来るのでしょうか?
よろしければもう一度おつきあい下さい
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今日もお願いしても・・・?
忘年会もあと1回で終わり!
皆様飲み杉注意!ご自愛ください
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