前身頃に多い胸ダーツの縫い方を説明します。
下図のように型紙には、こんな線で書かれています。
①の線を縫い合わせていきます。
下写真は、縫い代がついた状態です。
左端の1点、右端の2点をピンクペンで印をつけています。
この点は、上図の先の尖った部分と端の広がった部分の角になります。
胸側の1点を基点として、端の2点が合うように中表に折り、待ち針で留めます。
この後、縫うラインをペンで印付けしても良いのですが、生地に必要以上にペン跡をつけたくないので、今回は、紙やすりを使います。
下写真のように、紙やすりで、点と点をつなぐと縫うラインが明確になります。
縫い始めは、端から始め、返し縫いをします。そして、縫い終わりの2cm位手前まで、紙やすりの端に沿ってミシンを進めます。
下写真は、2cm位手前まで縫ったものになります。
ここから先は、徐々に右側に寄せていき、最後の最後は、1mm程度まで寄せて縫い終わります。そのため、返し縫いはせずに、糸を10cm程度引き出してから糸を切ります。
下写真は、縫い終わったものです。
縫い終わりの糸は、固結びをしてから短く切ります。糸をダーツの縫い糸に入れ込むと表にひびくので、薄地の場合は入れないことが多いです。
最後にアイロンをかけます。かけるといっても、絶対に滑らせません。
優しく押して整えます。
また、胸ダーツは、立体的にするために入れるので、まんじゅうを使って丸みが出るように整えます。
着やすい服というのは、体の丸みを考えて立体的に作られたものです。
特別な型紙でなくても、体は丸みがあるのだと意識して作業を進めていくだけで、着心地の良い服は作れます。
胸ダーツですが、胸が高い方は、パターンによっては合わない場合があります。だからといって胸ダーツを広くしたりすると、角度が急になり、胸を強調する服になってしまったりします。
また、胸の薄い方(私がそうですが)は、ダーツは入れなくても良いように思いますが、程度な胸ダーツが入っていた方が、のっぺりした感じがなくなります。
きれいにダーツを縫うのも大切ですが、ご自分の体形には、どんなダーツが入っていると着心地が良かったり、きれいに見えるのかを考えてみると、パターンを選ぶときや既製服を選ぶときに、ご自身に合ったものを選択しやすくなります。
ご参考にしてください。