パンツは、縫製は縫う箇所が少ないので楽なのですが、パターンが難しいです。

スカートは、ウエストとヒップが合えば良いですが、パンツは、お尻全体がフィットしないと着心地の悪い服になってしまいます。

 

その割に、少ないパーツで構成されているので、個々の体形に合うパンツを作るのは難しくなります。

 

下写真は、フォーマルタイプのパターンになります。

このパターンを見て、出来上がりのスタイルを想像できることが大切です。

 

 

後ろ股上の傾斜がゆるいことに注目します。

この傾斜がゆるいということは、直立した時にシルエットがきれいであるということになります。

しゃがんだ時に、お尻の後ろ側は、極度に曲がります。その時のために、股上が長いことと、股下が太いことが大事になります。

 

 

股上の傾斜がきついパンツは、下写真の赤い線で描かれるようなパンツになります。

傾斜のきついパンツは、ジーンズなど動くことを前提としています。傾斜をつけることで、スリムパンツにしても動きやすくなります。

逆に、直立した時に、お尻にシワが入りますが、これはゆるみになり、このゆるみがないと動きづらくなります。

 

 

前パンツに、タックが入っています。

タックは太って見えると思われますが、中高年になると下腹部が太くなりますので、ダーツより膨らみをカモフラージュできます。

座ると下っ腹がぷくっと出るので、タックにすると丸みを隠せます。

 

 

 

このパターンの場合には、ウエストベルトは、ウエストラインピッタリにきますので、真っすぐなベルトになります。

一時期、ローウエストが流行っていましたが、最近は、太めのパンツも多く、昔からの定番のウエストフィットのパンツが多くなりましたね。

 

細身のパンツの場合には、ウエストラインまで股上がこないので、カーブしたベルトのパターンになります。それは、腰上でフィットするようなパターンなので、腰のカーブに合わせたベルトのパターンにしないと、体にフィットしないからです。

 

 

簡単に説明しましたので、分かりづらいと思いますが、パターンを見たときにどんなシルエットになるのか想像されると面白いです。

 

最近、太めのパンツが多いのは、ウエストとヒップが合えば大概の人が合うからだと思います。私もウエストと太ももの太さのバランスが悪いので、昔から細身のパンツで自分の体形に合ったことがありません。

ところが、最近ネットで購入したパンツは、細身ですが、傾斜を適度に倒して、股上を深くして後ろにゴムを入れ、ストレッチ素材の生地を使うことで着心地の良いパンツになっていました。

日本人は、お尻が平たい人が多いので、合う人が多いだろうなぁと思いました。

 

また昔の話になりますが、私が大学生の頃、スリムジーンズが流行りました。高校生の時は、ダボっとしたジーンズだったので、真新しくて履いていたのですが、当時のデニムはストレッチではないので、足の太い私は、パツパツでしゃがむと血行不良になるような感じでした。

 

その後、子育て中頃にストレッチデニムが出てきて、正座もできる程度になりましたが、それでも長く座っていると血行不良になる感じでした。

 

ですので、昨今のストレッチ生地が出てきた時は、本当に画期的で、従来のパンツの常識を変えるものだったと思います。それまでは、生地は、伸びないのが普通で、だからゆるみを入れたパターンにしないといけなかったのですが、ゆるみがなくてもタイトなジャケットやパンツが成り立つようになったわけです。メンズのスーツも細身になりましたね。

 

多用な生地が、既製服だけでなく、個人で手に入るようになったので、ホームソーイングの幅が広がり、いろんな服を作ってみることができます。

生地の力を借りるだけでも十分良い服は作れますが、パターンのしくみを知っておくと、さらに着心地の良い服になると思います。

 

 

ご参考にしてください。