ミシンをかける時に、どこからスタートするのか、考えてかけていますか?
ミシンは、押さえ金があるので、縫い進めるうちに、少しずつ少しずつ伸びたりズレたりする可能性があります。
一般的に身頃に関しては、脇側から裾へ向かってかけていきます。これは、少しずつ伸びたりズレたりした場合に、脇側だと袖付けに影響が出るのと、裾ならごまかしが効くからです。
肩については、距離が短いので、ズレることはないと思いますので、どちらからでも大丈夫です。
イレギュラーなパターンでいうと、柔らかい生地で傾斜の大きいAラインの身頃もあります。
この場合、脇の布目は、ややバイアスになりますので、伸びやすい状態になっていますので、裾側から縫い始めます。
シャツなどの前たてにかけるステッチミシンを2本かける場合ですが、必ず同じ方向からスタートします。
布目がたて糸なので、ズレにくいのですが、少しズレるだけで、ヨレて目立つので要注意です。
スカートに関してですが、フレアスカートで前中心に布目を通している場合、脇線の布目は、ほぼバイアスになります。
バイアステープを思い出してもらうと、いかに伸びるかが分かると思います。
下図のようなパターンでは、ロックミシンをかける時から注意します。
フレアスカートの脇の縫い代は、割ることが多いので、縫い合わせる前にロックミシンをかけます。
この時、裾側からロックミシンをかけていきますが、決して引っ張らず、伸ばさないようにかけます。
その後の縫い合わせのミシンも紙やすりを使いながら、伸ばさないように裾から縫います。
これまで読んでいくと、慎重に縫い進めないといけないから、ゆっくりゆっくり縫えばきれいに縫えるのかなと思われると思いますが、そうでもなくて、ある程度の速度で一気に縫った方が、きれいに縫えます。
また、初心者の方に多いと思いますが、心配で何度も生地を触るのも実は型崩れの原因になります。
指は湿っていて温かいので、弱アイロンみたいな効果になってしまうので、生地が伸びやすいんです。
ミシンをかける方向によって、待ち針で留める向きも決まってきますので、待ち針で留める前に、どっちから縫おうかなと考えてみてください。
大切なのは、生地をむやみに伸ばさないことです。
短い距離なら1mmズレるだけですが、長い距離になると1mmが蓄積されていきます。
ミシンで縫うと、少なからずズレることを頭に入れておき、最適な方法を選んでみてください。
ご参考にして下さい。