偉大なる航路のとある島に船をつけたおれ達は物資の調達や船の修理やらで忙しかった。


「3日後の昼にログが溜まるわ。それまでには、必ず船に戻ること!いいわね?」


その航海士の一言で、みんな思い思いの場所に向かった。

島の市場に買い出しに行く者もいたり、はしゃぎながら島の探検をしに行く者もいた。



おれは特にすることもないので、船の番を引き受けた。

まあほぼ昼寝だがな。



おれ以外誰もいない船はしんと静まりかえり
あのいつもの騒がしさからは考えられないほどだった。


これで落ち着いて寝られる。


おれはそっと目を閉じた。










どれくらい寝ただろうか。

おれは小さな足音で目を覚ました。


目は閉じたまま、相手の気配を感じる。

……奴は仲間じゃねェな。




(寝込みを襲うとはいい度胸だ。さて、どう出ようか…)






奴の足音はどんどん遠くなり、船室の扉がそっと開かれる音がした。


(何か盗もうってのか)



船室での戦闘は船に負担がかかる、と航海士に言われているのでなるべく避けたい。

奴が出てきた時に片付けよう。



ガチャン、と扉を閉じる音。


今だ!





「おい!てめェ今何盗みやがった………」


おれは言葉を失った。


『ひゃあ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ』


そこには一人の女、というか女の子。

自分が思っていた敵と全く違ったので、頭の整理に時間がかかった。

泣きながら謝る彼女は相当おれを怖がっているようだ。



彼女の手にはウォーターセブンへのエターナルポースが握られていた。

「そいつを盗んだのか?」

おれはそれを指差した。

彼女は小さく頷く。



「…返せ。おれたちもそれが必要なんだ。欲しいんなら買ってこい」



おれがそう言うと、彼女は俯いて黙り込んだ。


「買う金がねェのか?」



彼女は何も答えなかったが、そのエターナルポースを床に置いて船から降りていった。


「なんだ?変な奴」











とうとう三日目の昼になった。


その日は朝から雨が降っていた。




昼に近づくにつれ船員が増え、誰もいなかった船も賑わいを取り戻した。



「全員揃ったかしら」



ナミとチョッパーが船員が揃ったか確認する。



「あれ?サンジ君がいない」

「本当だ!」




「みんなー!サンジ君知らない?」


ナミが全員に呼びかける。

「知ってる」なんて言う奴は案の定、誰一人いなかった。



「へへ…このまま置いてっちまってもいいんじゃねェか?」


おれがそう言うと、ナミの拳が降ってきた。



「もう……サンジ君たら、あとちょっとで島を出なくちゃいけないのに…」



あいつが遅れるなんて珍しい。

今までも待ち合わせは沢山あったが、あいつは一度も遅れたことがない。



(遅れるということは何か理由があるな…)



(女を連れてきたとか………………)




!?




「サンジだ!サンジが帰ってきたぞー!」



チョッパーの声で全員がその方向を見る。



するとそこには、雨に打たれ女を抱えて走ってくるあいつが。

「……ハァ!?」




「おい見ろ!サンジがとうとう女連れてきやがった!!」

ウソップのその一言で、船内は大騒ぎ



「うそでしょーー!?」

「何考えてんだ、あんのエロマユゲ!!」






サンジが船に上がってくる。女を抱えて。


サンジも女も雨のせいでずぶ濡れだった。
それに女の方は傷だらけで、気を失ってぐったりとしている。


「みんなすまねェ…待たせちまった」

「うぉ!?この女、ひどい怪我だぞ!医者ァァ!おれだァァァァ!!」


「ナミさん、ログは大丈夫か……!?」

「ギリギリだけどね。ってその子誰よ!!」



「ナミさん………もしかして…嫉妬?「違うわアホ!!!」




「…いや、話せば長くなるんだ。とにかく、船を出してくれ!頼む!」


「もしかして、その子連れてく気!?」

「ああ、頼むよ!ひどい怪我なんだ……」


サンジは必死だ。それを見ている船員は、非常に困惑しているようだ。


「……ルフィ?どう思う?」


「あ、いいぞ。助けてやろう「「「「軽いわ!!!」」」


船長の相変わらずな返答に全員が突っ込むも、彼はニシシと笑うだけだった。












サンジと女は医務室でチョッパーに手当てをしてもらっているようだ。

部屋から出てこようとはしなかった。




あの騒ぎのあと、サンジはおれたちに訳を説明した。

船をつけて二日後に、サンジが彼女と出会ったときから、すでに怪我をしていたということ。

サンジはそんな彼女を放っておけなくて、一晩そばにいてやったこと。

そして彼女はサンジに「ウォーターセブンへ連れって行って」と頼んだこと。


サンジはあったことを全ておれたちに伝えた。


ナミは、ウォーターセブンは次の次の島、と言っているが、納得いかない様子だ。


「あんなの船において、何するかわかんないわよ!?私たち騙されてるかもしれない!」

「大丈夫だ!ナミさんはおれが守る!」


「ちょっとロビン!なんか言ってよ!」

「……その可能性もあるわね。夜の間に暗殺されなきゃいいけど…」

「もう、怖いこと言わないでよ!!」

「でもこの船には頼れる騎士さんがいるから、心配ないんじゃないかしら?」


ナミはギロっとサンジを睨む。


「何かあったら、サンジ君の責任だからね!」

「大丈夫だってば!ナミさん心配しないで」






おれはというと……

ナミと同じ意見だ。
あんなどんなのかも知らねェ奴、例えちょっとの間でも船に置きたくない。

何するかわからねェ。





あのアホコック。勝手なことしやがって。







If rain stopped





おれは認めねェ。


















TO BE CONTINUED