東日本大震災が起こってから早数日。日を追うごとに増えていく死亡者、行方不明者。
救援物資も不足し、まだまだ寒い中被災者の人たちのことを思うとやるせない気持ちになります。
そんな中で人々は助けあってがんばっている。
海外のニュースでは、こんな状況でも本当に統率がとれていて、暴動や略奪が起こらない
日本人の精神を褒め称えた記事も目にします。
それはとても誇らしく素晴らしいこと。![]()
駅では何時間も行列になって待ち、スーパーでは目の前の手の届くところに商品があるのに
並んで「一人何個まで」のルールを守る。
被災地ではお互いが物資を譲り合っている。全国からはボランティアや救援物資の送付などが
後を絶たないようです。
でも・・・はたしてそれが被災地の状況全てを映した姿でしょうか?
全国からの支援は、本当に被災者にきちんと届いているのか?
今だからこそ、冷静に現在の状況を判断しなければ、と思います。
今回のブログはちょっと長文&辛口です。

テーマは
チェーンメール
被災地の実態
ボランティア
の3つ。
チェーンメール
数日前、友人から私のもとに1通のチェーンメールが届きました。
「関西電力に勤める友人からのお願い。現在東日本では電力が不足している。少しでも節電して
東日本に電力を送電したい。皆で協力して節電し、少しでも多くの電力を送ろう!」というもの。
私はその内容を見て「?」と思いました。
そもそも電力は発電するものであって基本的に備蓄は出来ない。
また東日本と西日本では周波数が違う上に周波数変換の容量にも上限があるので、
西日本に住む私たちが節電することで本当に被災地に電力が届くのか?
不思議に思って私は自分のところでそのチェーンメールを止めてしまったのですが、やはり
数日して西日本の各電力会社から「そのチェーンメールは誤りで回さないように」と発表
されました。
節電すること自体は(自分の家の電気代が浮く為)とてもいいことで、最初にこのメールを
発信した人もその後回した人たちも善意故だったんだろうと思います。
それと同時期に、ツイッターである悪質な書き込みが話題になりました。
メールが繋がらない今、ツイッターで安否確認が出来た人も多いらしく、そんな使い方も
あるのかと感心しました。
と、同時に、「今○○という場所で生き埋めになっている。助けて!」という書き込みを発見した
人が遠方から急いで駆け付けたもののそれは実は嘘。
自宅から、どうなるか軽い気持ちで送ってしまった人がいたようです。
地震後、西日本に住む私にとって一番最初に「正しい情報を取捨選択しなければ」と思った
出来事でした。
被災地の実態
今回の地震で、たまたま友人がその地に出張に行っていて巻きこまれてしまいました。
電車や飛行機は止まり、何が起きているのか訳も分からず誘導されるがままに避難場所へ。
数日過ごし、そこで知り合った人の親戚が迎えに来たので一緒にその人の家に行って
1泊泊めてもらい、無事自宅に帰れたようです。
見ず知らずの自分によくしてくれて本当に感動したと言っていました。
それと共に・・・数日ですが被災地での実態を目の当たりにしたと語りました。
連日報道されている避難場所での状況は、あくまでも報道陣が入っていけるような大きなところ。
友人がいた場所はもっと奥まった避難所で、日が経つにつれて救援物資も不足。
人々の疲労やストレスも限界で、日々少なくなっていく食料を前に小さい子やお年寄り優先の
ルールを守らず、元気な大人たちが自分の為、家族の為に割り込んで食料を奪っていく。
地元民は結託して情報や食料を共有するが、「よそ者」である自分は自ら動かなければ不利な
状況に追い込まれ、「早く脱出しなければ」と思ったそうです。
でも、責めることは出来ない。自分は違う場所に「家」も「家族」もある。
全てを失って、失望の中で必死に生き延びようとしているそんな地元の人たちの姿に、
悲しみと共に何とも言えない気持ちになったと涙を流していました。
テレビの中では皆が助け合う姿が映しだされていますが、こんな状況もまた真実なんだと
思いました。
ボランティア
被災地の状況が徐々に明らかになっていくにつれ、全国から多くのボランティアが向かい、
たくさんの物資も提供されているようです。
「助けたい」という一心で手を貸してくれる人々の優しさは本当に有り難い。
でも、かつて阪神大震災で被災した人々の状況を聞くと、全てが善意=被災者の助けに
なっていたかというと、申し訳ないがそうではなかったようです。
当時、ボランティアとして個人的に現地に来てくれた人のたちの中には、ボランティア精神のみで
何の準備や覚悟もせずに乗り込んできた人が多かったそうです。
車で来て渋滞になり、結果的に自衛隊や消防車がたどり着くのが数時間遅れてしまったり、
「何でもします」と言いつつ何をしたらいいのか分からず、結局ボランティアの人たちで固まって
談笑したり観光気分で写真を撮って回ったり。
また自分の食料や寝床、トイレの始末を考えずに来ているので、本来被災者に回るはずだった
配給をばくばく食べ、毛布で寝て、コンビニやスーパーの物を買い占めていく。
(これは現地にいる取材陣にも言えること)
まさに本末転倒で、何のために来たのか分からない人たちがたくさんいたようです。
支援物資も、送ってくれるのもとても助かるのだが・・・阪神大震災の時、需要と供給がうまく
マッチングせず、とても使えそうにないもの(汚れて異臭を放つ毛布や電気が止められた中での
家電等)が溢れ、結局一時的に倉庫に保管された後ひっそりとゴミとして処分されたとか。
実際に数日前にはNHKからもこんなツイッターが。
今回も混乱の中でまだきちんとした供給ルートが確保されておらず、数ヶ所で全国からの物資が
積み上がっている状態だそうです。
私は人々の善意を無駄だとは決して思っていません。
被災地では多くの人々が助け合い、また復興しようとがんばっています。
そんな中で、今だからこそ冷静に状況を判断し、事実を知り、本当に被災地にとって有り難いのは
何だろうと考えなければならないと思います。
今出来ることは・・・一番助かるのはやはり募金だそうです。
そして今後、献血。
供給ルートが確保されれば公的な場所からの物資の受け付け。
そして公的団体ボランティア。
善意が「自己満足」、「ありがた迷惑」にならないように冷静に対処していきたいものです。
一人でも多くの人が助かり、1日でも早い復興を願って。

