チベットフェスティバルのボランティア | ライオンシティからリバーシティへ

チベットフェスティバルのボランティア

ボランティア活動が生活の一部になってから人生が楽しい。

多分、ボランティア活動が、仕事と遊び生産と消費の中間にあるからだと思います

食べるための仕事ではないから、死ぬ気でがんばる必要はないし、長期的な展望も要らない。

でも、そこにやるべき任務があり、果たすべき責任がある。

40歳過ぎると自分の専門分野や社会の立ち位置が固まってしまって、普通、それを簡単に変えるのが難しい。けど、ボランティアなら、気軽に新しいことをはじめられるし、何歳になっても社会勉強ができる

博物館の学芸員にはなれなかったけど、博物館ボランティアならできた。

日本語教師にはなれなかったけど、ボランティアなら日本語は教えられた。

立ち位置を変えることはコスプレみたいで楽しいし、凝り固まった心がほぐされて精神衛生上もいい。

ボランティアは「お金をもらえない仕事と考えることもできるが、「お金のかからない学習や遊び」とも考えられるのだ。

そんな風にして、今回GWの3日間、護国寺のチベットフェスティバルでチベット名物、バター茶とカプセを売るボランティアをしました。

大学のアルバイト時代以来の飲食接客業ですが、沢山のお客さんとじかに触れる仕事はなかなか楽しかったです。

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これがバター茶。プーアル茶のようなBlack Teaを煮出したものに、塩、バター、ミルクを入れてかき混ぜます。チベット本土ではヤクのバターを使うそうですが、ここでは牛のバター。

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できたお茶は大きなヤカンに入れて保存。これをポットに移し変えて販売します。作っているのは、南インドバイラクッペの亡命チベット人社会のお寺、タシルンポ寺から来日されたお坊さんたち。


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カプセは、小麦粉にバターと砂糖を混ぜて、こねて、揚げた素朴なお菓子。チベットでは、お正月(ロサル)の時に沢山作って、こんな風にお供えものにしたり、食べたりするそうです。日本の鏡餅のようなもの?

楽しかったのは、普段、接することのない、チベット仏教のお坊さんたちと身近に接することができたことでした。

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緋色の僧衣と黄色い帽子の色が肌に合って、本当に美しい。

お坊さんによる僧院の問答(弁論術)の模擬実演を見たり、チベットのどぶろくであるチャンを初めて飲んだり(韓国のマッコリと似ていた)、ダラムサラ在住でダライラマ法王の通訳をされているマリアリンチェンさんのミニ講演会を伺ったりもしました。

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日本はアジアでダライ・ラマ法王が訪問を許されている数少ない国だそうです(他の国は中国への配慮のため訪問を認めることができない)。

そして、夜は本堂前で演じられたお坊さんたちによる、チベット伝統の仮面舞踏を見物しました。

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護国寺本堂の伽藍と、デジタル掛け軸の幻想的な映像、チベット楽器の不思議な響き、絢爛たる色と動きは、まるで平安時代にトリップしたよう。

力強く単調な調べと演者の激しい動きは軽いトランス効果があって、一日の労働で疲れた心は幻想の世界を泳ぎました

これを、広大なチベットの草原の乾いた空気に中で見、聴いたら、どんなに素晴らしいだろうな。。。。。。。故国を失い、困難な状況の中で、伝統を失うまいとがんばるチベットの人々を助けたいと思いました。

非日常的な3日間の後今は再び普段通りの生活に戻っていますが、もっとチベットのことが知りたい、学びたいという気持ちが強くなりました

こうした時間をこれからも捻出できるように、もっとチベットについて学べるように、そして、いつかダラムサラに長期滞在して仏教が学べるように、日々の仕事にいそしもうと思います。