ゆめのなかのぼく。きみをゆめだと知って首筋にキスをした。かなしかった。ゆめのなかのぼく、きみじゃないおとこのこといっしょにいた。きみはきれいな背中をぼくにみせて離れていった。ぼくのこころは一ミリもきみから離れなかった。もう。ゆめのなかまでもそのままのぼくでいやになった(ひとつちがうのはきみもぼくをしっていて、ぼくといっしょにいた男の子もきみもお互いをよくしっていることだったね)。
どうしてかきみ以外のひとにはもう、なにも感じない。子宮がきみがいいっていうの。心臓がきみがいいって、耳も口も目も、ねえ。ぼくはきっとずっとひとり?きみも?きみがいつかふたりになったらぼくはどうすればいいかい?
「知らないよ」「なんでぼくがふたりになるの?」「ぼくはずっとぼくだけ」「知ってるでしょう」
うん(そういうことを言っているのでは、ないのだけれど)
「だから」「だいじょうぶだよ」「きみもしってるようにきみのものにはなれないけれど」
『ぼくはだれのものにもならないよ』
(ああ、そのことばがききたかった)
いわれなくても きみが 誰かに 所有されることなど あり得ないの。
人間がにんげんを所有するなんてバカな話、書類の上だけにして措いて頂戴。
そういう知識はあっても、ぼくの感情がどうにもこうにも、
きみの感情だって。
おやすみ。いいゆめをみて。