これまで観た映画で一番好きなのは?

 

映画好きなわたしにとって、もっとも困る質問ですアセアセ

というのも、たくさんありすぎて選べないから…

 

ただベスト10に必ずランクインする作品が、ヴィム・ヴェンダース監督の『パリ、テキサス』です。

ロードムービーのなかでは一番好きハート

 

1994年第37回カンヌ国際映画祭でパルムドール(Palme d'Or)を受賞した作品なので、ご存じの方も多いんじゃないかと思います。


ヴェンダース作品は『夢の涯てまでも』を映画館で観たのが初めて。

こちらも、かなり印象深いロードムービーでした。

あの日本の名優・笠智衆も出演しています。

 

その後、ヴェンダースの作品が気になり、レンタルビデオで『パリ、テキサス』を視聴。

20歳そこそこの小娘の頃に観たのに、いまだに忘れられない作品で、その後も何度か観ています。

 

ここで、ちょっと自慢しちゃってもいいですか?

『パリ、テキサス』は1984年の作品で、公開から10年後の1994年、わたしはフランスに留学中でした。

 

で、ミケランジェロ・アントニオーニ監督との共作で『愛のめぐりあい』という作品が1995年に公開されているんですが、なんと留学先がロケ現場だったんです!!

住んでいた家の数百メートル先で撮影がおこなわれていましたキラキラキラキラキラキラ

 

それだけでも浮き足立つ話なのに、なんと『パリ、テキサス』の公開から10年ということで、街の映画館でヴェンダース監督をゲストに迎えて、『パリ、テキサス』の上映会が開かれたんですびっくり

当時、映画学科で勉強中だったわたし。

行かない理由がない!!!

ホント夢のような時間でしたラブラブ

 

やっぱりトラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン)とジェーン(ナスターシャ・キンスキー)がのぞき部屋のマジックミラー越しに電話で話すシーンは、ヴェンダース監督にとっても印象深い撮影だったと語っていたのは覚えています。

ロードムービーさながら、撮影も進んでいったとか。

 

ほかのエピソードもいくつか話してくれたんですが、なにせ30年前の出来事なのであまり記憶になくアセアセ

メモくらいとっておけばよかったタラー

当時はブログはおろかパソコンもろくに普及していない時代でしたからね…

 

ヴェンダース監督自身も話すように、のぞき部屋でのやり取りは、もどかしさとせつなさが入り交じった、胸を打たれるシーンです電話

お互いに姿を見ることができず、マジックミラーで仕切られた二人は、男と女のすれ違いをそのまま物語っています。

 

全編をとおして、セリフは少なめ。

親子、そして夫婦の愛と葛藤は、俳優たちの表情でしか感じとれません。

だからこそグッとくるものがあるんじゃないかな。

セリフが少ないぶん、音楽がめっちゃいい音符

 

タイトルのパリは、フランスの首都パリではなく、テキサス州にある街パリのこと。

トラヴィスが家族3人で暮らすために土地を買った場所です。

結局、家族が暮らすことはなく、トラヴィスはまた旅に出てしまうのだけれど…

 

あらすじを書いちゃうと観る楽しみが半減しちゃうので、多くは語りません。

 

そして、この作品は”赤”を効果的に使っています。

作品全体の色彩も見てほしい。

 

わたしが思うアメリカンドリームを体現したような”アメリカ”アメリカをイメージさせるような作品ではなく、ヴェンダース監督が感じた”アメリカ”を描いたように思います。

 

とにかく、観て、感じてほしい映画です映画

 

あと『ニュー・シネマ・パラダイス』や古くは『E.T.』なんかもそうなんだけど、

わたし、子どもが出てくる作品に弱くてあせる

『パリ、テキサス』に登場する、トラヴィスとジェーンの息子ハンター(ハンター・カーソン)の繊細な表情にもぜひ注目を。

 

 

 
 
 
 

 

星『パリ、テキサス』の基本情報星

タイトル:『パリ、テキサス』

原題:Paris, Texas(英語)

監督:ヴィム・ヴェンダース

脚本:L・M・キット・カーソン、サム・シェパード

製作:クリス・ジーヴァーニヒ、ドン・ゲスト

制作総指揮:アナトール・ドーマン

キャスト:ハリー・ディーン・スタントン、ナスターシャ・キンスキー、ディーン・ストックウェル、オーロール・クレマン、ハンター・カーソンほか

音楽:ライ・クーダー

公開:1984年(フランス)1985年(西ドイツ)

上映時間:147分

製作国:フランス、西ドイツ、イギリス、アメリカ