これは見ちゃいかんと思いながらもエスカレーターに乗るわけですけど、視線の外し方が難しいわけですよ。
急にスマホを取り出すのも盗撮を疑われそうで怖いし、かといって横を向くと下りエスカレーターに乗っている方々と目が合っちゃって恥ずかしいし、下を向いたらエスカレーターで乗り物酔いしそうだし。
そこで仕方なく前を向いてるわけですけど、とにかくパンティーギリギリで。
スカートもピタッと張り付いてる感じではないプリーツスカートで、風が吹こうもんなら一瞬で捲れあがってしまいそうな防御力の低さで。
奇しくもその日は風が強い日で。
エスカレーターで地上に上がった瞬間に、悪戯な風がスカート捲りしそうな予感がするわけです。
で、なんならお尻も少し出てるんですよ。
その、太ももとお尻の境目って言えば分かります?
その境目の弧を描いてる部分。
その「弧」がひょっこり顔をだしてるんです。
普段そういうことに興味のない僕でも、あ、結構面積少なめのパンティーなんだな、くらいまでは分かるわけです。
そこまで考えたところで、エスカレーターは改札前まで到着。
僕は改札を出たら右に曲がってまたエスカレーターに乗り地上に出る予定でした。
そしたらですよ。
その女性が改札を出て左に曲がって、ヒカリエ側のエスカレーターに行くんですよ。
僕と反対側に歩いていくんで、よかった、もうこれで目線を気にしないで済むと安堵しましたよ。
安堵したんですがね、そこでふと、ヒカリエ側に用事があることを思い出したんです。
これは本当にうっかりしてまして。
家出る前に、ようし今日は絶対にヒカリエで買い物をしよう!と思ってたんですよ。
よかったですよ、ほんとに。思い出して。
で、仕方なくあの女性と同じエスカレーターに乗るわけです。
思い出す時間があった分動きが遅れ、先ほどよりも後ろになりましたが。
それで気づいたんですけど、さっきよりも距離が開いた分、高低差も広がっていて。
もうほんとにギリッギリ。
なんなら「見えそうで見えない」という焦らし効果もあって。
マジで見えるんじゃないかと思いながらも結局見えないまま、エスカレーターを登りきったわけです。
そこで僕の予想が的中ですよ。
先ほども言いましたけど、風が強い日だったんですよ。
エスカレーターを登ったところで、突然の強風が吹いたんです。
ジャストです。横殴りの風。
かっと目を見開いた瞬間、飛ばされたんですよ。
僕のメガネが。
そんなことあります?
僕のメガネが横殴りの風によって、右に飛んでったんです。
ご丁寧に、飛ばされていく途中でフレームが折り畳まれてました。
これに関してはマジでどういう原理?
折り畳まれた状態で5メートルくらい先に落下するメガネ。
遠ざかるぼんやりとしたパンティー。
呆然とする僕。
すると今度は逆方向に強風が。
カカカカカカカ…
まさかとは思いましたが、地面を擦りながらメガネが足元に戻ってきまして。
すごいな!
ブーメランみたいな感じじゃん!
こんなことってあるのかと、なぜか感動ですよ。
おわり。
おっしーでした。