ばっくれる | こびないブログ

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による"こびない"ブログです。

ばっくれるとは、しらばっくれるの略。

[1] ばっくれるとは「とぼける」「白を切る」「しらんふり」といった意味で、主にヤクザや盗人、不良の間で使われる言葉である。
[2] ばっくれるは[1]の意味から転じ、「逃げる」といった意味でも使われるようになる。更にそこから「学校を無断で早退する(サボる)」といった意味で若者に使われた言葉である。


僕は過去に三度もアルバイト先からばっくれたことがある。

最初は、ホテルの最上階にあるバー。
次は、スポーツクラブ。
最後は、某有名進学塾。

バーのアルバイトは2週間でギブアップした。
まず毎回オールバックにしなければいけないのが嫌だった。
「髪型自由」と堂々と嘘をつかれていたことにも納得いかなかったが、僕の大きな顔がオールバックにすることでさらに大きくなったことに震えた。
少しでも小顔に見せたくて、当時ファッション雑誌の中でもかなり攻めているモデルがしていたような、前髪のところで小さなお団子をつくるオシャレ最先端のヘアーで対抗したが、ベテランのおばちゃんに苦笑いされて即却下された。

僕にはそもそもバーテンダーのような格好がしたいという気持ちしかなかったので、お皿の用途の違いは覚えられなかったし、お酒の種類なども覚えられず、「楽しい」と思える要素がなかった。

そのバーには、「◯◯(ホテル名)ガールズ」と呼ばれる、お金持ちのおじさんに高い酒を飲ませるために存在する、キャバクラ嬢のような女の子たちもいた。

80年代のキャンペーンガールのような格好をしているわけだが、どうやらその女の子たちはお高くとまっているように思えた。

キャバクラ嬢を見下しているような雰囲気を漂わせていたが、どれも普通レベルの顔をした女の子だった。

彼女たちの、顔に比例しないプライドの高さにもなんかムカついた。

そして、熱湯の中での皿洗いにより手荒れがひどくなってきたある日、行くのをやめた。

一度行かないという選択をすると、そこからはもう二度と行く気持ちになれなかった。

これが僕の人生における初めてのばっくれだ。

罪悪感と解放感が合わさったような感覚だった。


ばっくれたはいいが、お金が無いと困る。

そこで、次に面接を受けたのは、とあるスポーツクラブ。

そのスポーツクラブ、僕が逃亡したバーから歩いて5分くらいの場所にある。

なぜそのような近場を選んだのかは覚えていないが、当時付き合っていたおっぱいの大きな彼女が「そこで一緒にアルバイトしよう」と言ったからだったような気がする。

やはりおっぱいは冷静さを奪うものらしい。

僕はそのおっぱいの大きな彼女(以下、爆乳娘)と一緒に面接を受けに行った。

面接の前に挨拶の練習があった。

「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」をひたすら繰り返す練習だったが、僕の言い方がぎこちないらしく、何度もやり直しをさせられた。

一方、爆乳娘の方は、居酒屋などでの接客の経験もあるので乳を揺らしながらうまくこなしていた。

そして挨拶練習の後に面接をした。
女性のなんちゃらリーダーみたいな人に担当してもらった。

その面接の中で、その人は「お客様に名前を覚えてもらえることがやりがいです」と言っていたので、途端に僕はやる気をなくした。

なぜなら今までのアルバイトは、その仕事柄、名前を覚えてもらうことが当然のことだったからだ。

この段階でやる気をなくしてしまった僕は、その瞬間からスポーツクラブのアルバイトの粗探しを始めた。

そして早い段階で見つけた。

なんちゃらリーダーが僕と爆乳娘に振込先について説明をしている際、受付内の電話が鳴った。

その瞬間なんちゃらリーダーはいきなり電話を取ったのだ。

そこで僕はこう思った。

(人との会話の最中にいきなり電話を取るなんて失礼である!!)

なぜこのように思ってしまったのかは今となっては分からない。
たぶんただ辞めたかっただけなんだろうと思う。

ただ当時の僕はなぜか心底腹が立っていた。

帰り道、その怒りを爆乳娘にぶつけてみると、心優しい爆乳娘は「そうだよね、それは失礼だよね!」と乳を揺らしながら共感を示してくれた。

全てを包み込んでくれる、たわわに実った乳である。

そしてその勢いのまま、スポーツクラブに電話をして働くのを辞めた。二人揃って辞めた。

…ここまで書いて気づいたが、連絡をした上で辞めているので、ばっくれではなかったようだ。

今のは、ただの爆乳娘との思い出だったようだ。

ごめんなさい。


結局、アルバイト先を見つけられず困っていると、爆乳娘が高額なアルバイトを探し出してくれた。

探し出してくれたアルバイトの中には、ホスト(これは以前のブログで書いた)やホモに掘られる仕事、塾講師などがあった。

以前のブログでも書いたかもしれないが、当時の僕はホモにケツの穴を掘られてもいいと思えるくらいの精神状態だった。

そんなヤバい精神状態の僕だったが、よく考えてみると、爆乳娘も彼氏にそのようなアルバイトを紹介するのだから、そこそこ狂っていたのかもしれない。

念のため、ホモには掘られていないということは知っておいてもらいたい。

まあ、ホストの件はばっくれとは関係ないので省くが(「じゃあ爆乳娘との思い出も省け」という意見は無しで!)、僕が人生で最後にばっくれた某有名進学塾がアルバイト先候補に入っていた。

正直、塾講師なら無理なく働けると思っていたので、某有名進学塾の面接を受けることに決めた。

そこは僕がばっくれたバー、爆乳娘と二人で断ったスポーツクラブから5分ほど離れた近い場所に位置していた。

わざと近場を選んでいるとしか思えないが、これも本当に偶然なのである。

とにかく、僕はその塾の面接を受けに行き、すんなりとアルバイトとして働かせてもらうことになったが、結論から言うと2ヶ月でばっくれた。

理由は体育会系のノリについていけなかったからだ。

まず入ってきて入口で「大きな声で挨拶」、次に一番偉い人が座っている机から順に一人ずつ挨拶していく。それも「しっかりとした挨拶」を。

毎回、10人くらいに挨拶していく。

(この時間、いる!?)

そう思っていた。

色々な先輩の授業を見学させてもらったが、正直フツーの授業だった。

唯一、ある女の先生は良い授業をしていたが、基本的にはみんな授業はフツーだった。

1人を除いたフツーの方々に「教室長、おはようございます!」「上席、おはようございます!」…を繰り返していく日々。

(挨拶、こんなにいる!?)

僕は体育会系とは無縁の環境で育ったため、この出社してからの無駄な時間が苦痛でたまらなかった。

一度手を抜いて小さな声で挨拶をしたら、「もっと大きな声で挨拶をして」とフツーに怒られた。

ちょうど担当していたのが、夏期講習の中二の授業だったが、夏期講習終わりの切りの良いタイミングで行くのをやめた。

ちなみにだが、その塾には、爆乳娘の弟が通っていた。

僕のばっくれた経験は以上であるが、なぜ、僕がこのようなブログを書いたのかというと、今僕が働いている職場で35歳くらいの人がばっくれそうなのである。

そこで、ばっくれた経験のある僕は、ただ頭ごなしに批判するのではなく、相手の気持ちになって考えてみようと思った。

そこで僕の経験を書く中で、当時の気持ちを整理してみたわけだ。

…バーテンダーの格好はしたいがオールバックは嫌だ…たわわ…元気な挨拶が嫌だ…


…うん!なるほど!ロクな理由じゃない!

よーし!
自分のことは棚に上げて、ばっくれそうな人を頭ごなしに批判していくぞぉー!!!


終わり。