過去僕が彼女についた嘘。
それは彼女に偽名を使っていたということ。
まあ中三とか高一とかの頃の話なのでギリギリ「かわいい嘘」の部類に入れてほしいと思う。
当然だが今だったらそんなことはしないので。
当時、僕が通う中学校は不良がそこそこいた。
中一のときにクラスの人気者みたいな奴が、中二になるとこぞって不良になった。
不良になった奴は急にケンカとかもやりだした。
金髪にもなりだした。
FUBUとかKANIとかのジャージを着だした。
学生カバンを無理矢理リュックみたいにして背負っていた。
僕は思った。
(おれもやりてぇー!)
と。
不良でもない僕が、不良みたいな格好をすることが許されるはずがない。
そこで地元の不良が行きそうにない場所、そう、新百合ケ丘で不良の格好をすることにした。
毎週土曜か日曜、上下赤のFUBUのジャージ、学生カバンをリュックのように背負い、髪を金髪にして、新百合ケ丘の駅前を闊歩していた。
駅周辺は治安がよかったので、ライバル(本物)と遭遇することはなかった。
なにせ新百合ケ丘ではヤンキーなのだから。
だからナンパもした。
マクドナルドにいるギャルをナンパしたこともあった。
そして意外と番号を聞き出すくらいなら楽勝だった。
新百合ケ丘の不良、柳、としてナンパをしていたある日、高二の女の子ノゾミちゃんと知り合う。
紆余曲折を経て、ノゾミちゃんが友達の女の子を連れて泊まりに来る、などの熱いイベントを経て付き合うことになる。
こうして、彼女に対して「柳」と名乗ったまま付き合うことになった。
ノゾミちゃんとはろくにデートもしないまま1ヶ月ほどで別れたような気がする。
おわり。
柳