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前回授業の別角度からの考察です。

こちらの方がよりメジャーな文献を使います。

 

教科書は第1巻。

今日の課題設定は、「炭治郎が鬼殺の剣士になろうと思った動機付けは何か その2」です。

 

「鬼が憎かったから」

「家族を鬼に殺されたから」

「富岡さんに言われたから」

「母に禰󠄀豆子を頼むねと言われたから」…

 

漫画を見ると

富岡さんに気絶させられた時の夢で

母親に「禰󠄀豆子を頼むわね」と言われたから。

というのが抜き出されるポイントかと思います。

 

富岡さんから鱗滝さんへの手紙には「鬼殺隊の剣士になりたいという少年をそちらに向かわせました」とありますが、富岡さん→炭治郎に伝えられていたかは不明です。

 

ここまでは昨日の復習。

 

今日はこの著書から。

長尾 十三二・原野 広太郎 編著
学陽書房 平成3年第四版
 
この著書は私が大学時代にゼミの先生に言われて買ったものです。

私のゼミの先生は鈴木秀人先生(ジュビロではありません)で、教員採用試験のための勉強が嫌いな人でした。

勉強は内発的動機付けに基づいて自己研鑽として、という人でした。

 

マズロウの「倫理的発達の六段階説」が載っています。

マズロウの理論は、大学の野球部の部長であった立木正先生の「初等体育科教育法」の授業で初めて触れました。

人間の諸欲求は、階層的秩序を持ち、切実で優先権をもった欲求が満たされると、次のより高い欲求へ向かおうとする。

というやつです。

大きく欠乏欲求と成長欲求に分けられます。

 

欠乏欲求は、安全、所属、愛情、尊厳、自尊などです。

成長欲求は、自己の可能性、能力、才能の絶えざる実現です。

なにかを創造、経験、愛し、成就したい欲求とも言われます。

 

総務省のHPにもマズロウの理論が載っています。society5.0の社会を考えるくだりです。

 

ここで本日の課題設定「炭治郎が鬼殺の剣士になろうと思った動機付けは何か」に戻ります。

 

炭治郎が、母親に「禰󠄀豆子を頼むわね」と言われたことがきっかけなので、

母からの承認の欲求が正解になります。

 

ただ、物語冒頭に「生活は楽じゃないけど幸せだな」とありました。

ということは、自己実現はある程度されていて、今後、どんな炭焼き職人になるか、どんなヒノカミ神楽の踊り手になろうか自己の可能性の実現に思いを馳せながら生活していたことも考えられます。

 

それでは、まとめ。

炭治郎が鬼殺の剣士になろうと思ったのは、成長欲求を満たそうと生活していたが、鬼の襲撃によって、所属・承認などの欠乏欲求が生じたためと考えられます。

 

炭治郎は鬼殺隊に入隊することで、新たな所属を得られました。

鬼殺隊には階級があり承認欲求も喚起されたことでしょう。

ただ、承認欲求が満たされる(階級が上になる)ということは、結果として再度の新たな幸せな生活という自己実現の欲求に近づいていくので、鬼滅の刃は欲求の階層間の関連付けがうまいこといっています。

 

最後に一つだけ。

鬼殺隊は政府非公認の組織です。

ということは税制優遇、補助金がありません。

ということは生理的欲求、特に食欲の保証が大変です。

ファンビジネス、クラウドファウンディングもない時代。

寄付や自給自足頼みです。

 

それでは、今日の授業は終わりです。