驕らず、威張らず、精進を重ねる。【再読】あさのあつこ著 鬼を待つ
あさのあつこ著
弥勒シリーズ第9巻
鬼を待つ【再読】
ネタばれあり
ご注意を❗
最近私が一番ハマっている時代小説シリーズ、【弥勒シリーズ】の第9巻
再読です。
2022年6月にはじめての入院。
このとき読む本が無くなり、病院にあるコンビニで買った1冊
その時のブログ
読んでみて
ストーリー面白く、グイグイ引き込まれる。
しかし、登場人物の詳細がわからない。
1巻【弥勒の月】を読んだら、更に面白さが増した。
そこで、1巻と9巻を除く10巻まで購入。
その時のブログ。
さあ、タイトルにある言葉。誰もがこう有りたいと肝に命じている言葉。
遠野屋番頭信三の言葉。
信三は、このシリーズの始まりは手代。真面目さと、礼節をしっかり心得ている、仕事に対する熱意がある。
信三は番頭になっても住み込みのまま(番頭になれば通いが許される)。
店の二階奥に三畳ほどの部屋を持っている。一人住まいであるが、遠野屋の番頭の居住にしては些かみすぼらしい。
異例の若さで奉公人の出世双六を上がった信三なりの戒めだった。
驕らず、威張らず、精進を重ねる。
その心得だけは忘れたくない。
うん、その心得、私もわかる。
全国の仲間内で2番目の速さの昇進。妬み、嫉み、変な勘ぐり、勿論ありました。
そんな奴らを黙らせるのは、仕事ができる云々よりタイトルの言葉を実行することだったんです。
もう一つ
遠野屋の遠野紅の権利を奪おうとする八代屋主人の言葉
品とお客さまを結びつけるのも品を生かすのも商人の仕事。
けれど、ときには、売った相手が品を生かして育て、変えてくれることもあるのですよ。
さらに言えば、品そのものが人を変えることもあります。
この紅を持っているだけで幸せだと思える女人が大勢、おるのでしょう。
思えれば人は前を向きます。
生き方が変わってきますよ。
遠野屋は
ああと声を上げそうになった。
なるほど、商いにはそういう一面もあったのだ。商人ではなく買い手として見る、その眼差しを忘れていた。
八代屋さま、ありがとうとございます。肝に銘じて励みます。
八代屋
いやいや、出過ぎたことを申しました。わたしも年ですな。言うことが一々、説教じみてしまう。
遠野屋さんほどの方にいらぬ説法をしてしまいました。お許しくださいよ。
商人の商いに対する心得よりも、わたしに当てはまる言葉は、八代屋の、わたしも年ですな。言うことが一々、説教じみてしまう。
私が早期リタイアした理由の一つです。
説教じみた話を部下にする自分が嫌になってしまわないように。早々に手を引く。
幸い今自分より年下の人と話すのは看護師さんだけ。病室では、好々爺ぶってます。
さてストーリー
八代屋主人が奇っ怪な殺され方。首に5寸釘。
同じような殺され方を人望厚い大工の棟梁も。
八代屋の主人と大工の棟梁の接点は?
大工の棟梁と喧嘩をして、棟梁を丸太で頭を殴った。頭から血が吹き出て倒れた。相手は殺したと思った。そして、そのことを苛んで首吊り自殺。しかし、同心と岡っ引きは疑問を持つ。
この死も奇っ怪な殺され方をした二人ともつながってくる。
さらに遠野屋主人の亡くなった妻にそっくりな女が八代屋にいた。遠野屋主人は激しく動揺する。
犯人を割り出す。ここで1巻を読んでいないことには繋がらない話となる。
そして、遠野屋主人の出身藩の江戸家老が登場する。
シリーズ最初のことが繋がる、繋がる。
それで、9巻を読み終えて即1巻を読んでいる。
1巻を読んだら、10巻を読むつもりだけど、その間に他の時代小説を読もうか思案している。