明日の朝も目覚められるかどうか誰も…山本一力著 湯どうふ牡丹雪 | 生きているだけで儲けもの

明日の朝も目覚められるかどうか誰も…山本一力著 湯どうふ牡丹雪


2月15日から入院中


  2週間の入院予定

  5冊持ってきて、4冊読みました。


  日、いち日

  こうして生きようと思った

  ずしりときた言葉があった一冊です。


山本一力著

湯どうふ牡丹雪

(長兵衛天眼帳 2巻)



  鰻や「初傳」の先代の言葉
  これは明日やろうなどと、先伸ばししちゃいけねえぜ。明日の朝も目覚められるかどうかは、だれにも分からねえんだ

  主人公長兵衛は、眼鏡を扱う村田屋主人
  その店の家訓のひとつ
  明日は味方
  その意味を先代は
  今日をひたむきに生きていけばこそ、迎える明日が味方についてくれる

  初傳・村田屋の家訓を繋げて長兵衛は
  なにごとも億劫がらず、先延ばしせずに1日を終える。そんな生き方であればこそ、朝日は今日の恵みを授けてくれる

  今の私に照すと
  そう、
  今日1日やるべき事をする。そうすると素晴らしい明日が待っているはず。
  私のやるべきことは、しっかり食べて、歩き体操をする。そして、家事など妻の手伝いをする。
  何気ない日常ですが、その事がしっかりできた時は、この上ない喜びがある。
  今を嘆いてダラダラと過ごしていたら、明日は味方してくれない❗

  飴屋本舗初代は
  カネは天下の回り物
  よく言われてますね。そしてよく耳にしますね
   カネは 大事だが、遣うことはもっと大事だ

  上手にお金を遣わないと経済がうまく回らない。上手に遣うことが金儲けの秘訣❓
  自分に当てはめるとどうだったかと思うことが少なからずある。

  遊郭の花魁が口にする、客の品定めをいう言葉の最初
  上は来ず。
  中は朝来て昼帰る。
  下は夜来て朝帰る。
  下下はそのまま居続ける。

  どうしても「それは俺だぜ」と言いたくなる。だけどそれを言わずに黙っている。陰で支える人物。それが「上」ではないのかな。
  やったことを俺が俺がとわめく政治家。それは「下下」。いやいやそれより劣る。
  下半身ネタで週刊誌を賑わす芸能人やスポーツ選手。これも「下下」以下。枠外。「上」であれば名を汚さずに済むのに。

  担当医から辛い話を聞いた後に読み始めた一冊。
  入院中にそれが読めた自分は幸せである。