ロージャ:呪神契約者を根絶やしにする手段はあると思う?
ニコラ:はい? 何ですか?
ロージャ:あら、今回の死体は呪殺にしては綺麗ね。外傷がない。
ロージャ:頭を切開する際には注意して。デロデロになった脳味噌が溢れ出てくるかもしれないわ。
ニコラ:分かりました、博士。
ニコラ:それで、何ですって?
ロージャ:呪神契約者を根絶やしに出来るかって話よ。
二コラ:そうですね……、無理なんじゃないでしょうか。今いる全ての契約者が仮に死亡したとしても、新たに呪神と契約する者が現れるでしょうから。永遠に続くと思います。
ロージャ:あなたの言う通りね、ニコラ。
ロージャ:この遊びには終わりがない。だからこそ楽しいってところもあるのでしょうけど。でも私はね、違うベクトルで呪神に挑戦したいの。……いえ嫌がらせかしら。
ニコラ:嫌がらせ?
ロージャ:予測不可能な混沌を排除する。効率的に、機械的に、呪神契約者を発見・抹消するの。ネズミでも駆逐するみたいに。彼らはいつも、私達に情熱的であることを要求する。呪神にしろ契約者にしろ結局のところお遊びを望んでいるのよね。だから、そのお遊び自体を一切封じてやるのよ。せっかく命懸けで呪神と契約したにもかかわらず、契約者となった瞬間に私達に捕まってしまうってワケ。呪神も契約者も、何のために自分が存在するのか分からなくなるでしょうね。誰にも知られる事なく終焉を迎えるなんて、きっと彼らにとって最大の屈辱よ。面白いわ。
ニコラ:……それが最近のあなたの研究に繋がっているのですね。娘さんへの実験も。契約者排除の効率化。全く素晴らしいお考えです。
ニコラ:でもね、私は時々思うのですよ、ロージャ博士。あなたのような人間は豚に食われて死んだほうが、世のためなんじゃないかって。
――― log280_33.