人間の一生の間にはいくつかの健康を害する山場があります。

そのなかで、成人になって壮年期をも変えた時に、人生に最も大きな影響を持つ病気の一つが悪性腫瘍、癌です。

 

いわゆるがん年齢を乗り越えることが長生きのハードルの一つです。そして、そのリスクは定年を意識する頃から上昇するのです。

 

老後資金が2000万と言われて話題になった昨年ですが、いや働き続ければいいとか健康寿命とかが声高に言われるようになりました。

 

そんな中定年後の人生や仕事の悩みは皆さん多いことと思います。

しかし、仕事をするにしても遊びや旅行をするにしても、一番大切なのは健康です。

 

健康さえあればなんでもできるのです。

 

一休.com

 

 

そんな精神や生活がやや不安定になる、アラ定年のころに

健康に決定的な被害を与える病気が癌なのです。

 

治る癌は早く見つけて治しましょう

治らない癌は諦めて余生を楽しみましょう

癌には早く見つけて治るがんと、治らないがんがあります

ポイントは3つ

 

1、発見が遅れると完治しないがんが多い

 

2、多くの癌は初期は症状がない。そして、症状が出た時にはすでに進行してしまっている場合が多い。

 

3、早期癌は一般市町村の健康診断では見つからない。

 

つまり、早く見つけないと命に関わるのに、一般検診では見つからず、といって症状が出たら手遅れになってしまう。それが癌の怖いところです。

 

国立がんセンターのホームページには癌の統計が載っています

その一部から抜粋してみると

●2018年の死亡数が多い部位は順に

  1位 2位 3位 4位 5位  
男性 大腸 膵臓 肝臓 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸4位、直腸7位
女性 大腸 膵臓 乳房 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸2位、直腸10位
男女計 大腸 膵臓 肝臓 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸3位、直腸7位

元データ:人口動態統計による全国がん死亡データ(エクセルのnumberシートを参照)


●2017年の罹患数が多い部位は順に

  1位 2位 3位 4位 5位  
男性 前立腺 大腸 肝臓 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸4位、直腸5位
女性 乳房 大腸 子宮 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸2位、直腸7位
総数 大腸 乳房 前立腺 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸3位、直腸6位

元データ:全国がん登録による全国がん罹患データ(エクセルのnumberシートを参照)

 

となっています。

 

男性で前立腺、女性で乳腺が病気になる方は多いのですが、死亡数が多いのは肺、大腸、胃、膵臓の癌がトップ4になっています。そして女性は乳腺がそれに続き男性は肝臓癌が続くわけです。

 

 

でも待ってください。

死亡率の高い癌の中で、大腸癌や胃がん、乳がんは早く発見すれば治る可能性が高い癌なはずです。

 

一方で肺がんは早期発見早期対応で完治する可能性は十分ありますが、胃癌や大腸癌に比べると治りにくい。

膵癌は早く見つかったとしても極めて治りにくい癌ですので、この二つが死因の上位に来るのは医者として納得するところです。

 

トップ4のうち、早期発見で治りやすいがん(胃がん、大腸癌)が2つも入っているわけです。

これは、もちろん総数が多いこともありますが、発見さえ早ければ治せた方もたくさん入っているのです。

 

早く見つければ治る癌なのに、発見が遅いことによって命が奪われるのはもったいない話です。しかし、早期では自覚症状はないのですから、癌をターゲットにした検査を受けるしかありません。

 

自治体も十分承知していて、各種がん検診を用意しております。しかし自治体の検診では特定の癌の早期癌を見落とす可能性のあるがんがあるのです。

 

 

どの癌をターゲットに、あえて市町村の検診に加えた検査を受ければよいのか?

ずばり胃、大腸、肺、になります。そして男は前立腺。

 

検診では胃透視といわれるバリウム検査が行われることが多いです。しかし、この検査は進行癌は診断できますが早期癌を検出できないことがあります。

 

私の経験でも、早期癌があるとわかっている患者でさえ、手術前にこのバリウム検査で場所を確かめようとしても、うまく画像にできなかった症例が何例もあります。

 

あるとわかっていても写真に映らないのですから、それで検診していたら当然見逃します。

 

では何が必要かというと

 

 

胃カメラをやらない限り、早期癌は見逃す可能性があると思っていてください。

 

特に一度でも萎縮性胃炎があると言われた方は毎年の胃カメラをお勧めします。

 

次に。死亡の第二位で、女性においては1位の大腸癌です。前にも書きましたが便潜血検査は苦痛もなく非常に有効な検査です。最低でも年一回は便潜血検査をして少しでも異常が出たら大腸カメラの検査を受けましょう。

 

しかし、便潜血検査は万能ではありません。

消化器疾患に携わっていた医者ならみんな経験がありますが、毎年受けていた

便潜血検査はいつも正常だったにもかかわらず、進行した大腸癌で見つかるケースがあるのです。

 

特にポリープでは、便潜血陰性率は高くなるので、便潜血陰性だからと言って過度に安心するのも危険と言えます。

なにか気になった時に1回は大腸カメラ検査を受けることをお勧めします。

 

こういう私も、便潜血は長年陰性でしたが、仲間に大腸カメラをやってもらったところポリープが発見され摘出しました。

 

腺腫と言って放置すれば癌化する可能性のあったものなので、大腸カメラをやったことで見つけられて良かったわけです。

 

 

 

どんな人間ドックを受けるか?

人間ドックは、決まったメニューにある程度オプションで変更できるようになっているのが普通です。

 

せっかく受けたのに、残念なオプション選択になっている方をよく見かけます。特に辛い胃カメラや大腸カメラを省く方が多いです。

 

通常の人間ドックでは胃カメラ、大腸カメラは用意されているので受けることをお勧めします。

 

また、肺癌に関しては胸のレントゲン写真は早期発見の力は弱いです。

肺がん検診としては胸部CTをお勧めします。

 

そして男性であれば前立腺癌発見のためのPSA採血、

女性であれば検診も利用してマモグラフィーと超音波検査を両方受けることで検出率を上げることができます。

 

以上で膵癌を除いた死因のトップ4は全てカバーされていますネ。

 

膵癌はCTや超音波で発見することができますが、非常に完治率の低い癌です。しかし、少しでも早く発見することで良好な予後につながりますから、腹部超音波やCTを加えることで、そのほか肝臓癌や腎臓がん、卵巣癌、も検出する可能性があります。

 

 

以上、

市町村の一般検診に加えて、定年を意識した方が必ず追加した方が良い検査は

胃カメラ

大腸カメラ

肺CT

腹部超音波検査またはCT

となります。

 

保険診療か人間ドックか?

ご自身に有害な症状があったり、過去に萎縮性胃炎や大腸ポリープ、ウィルス肝炎、その他の病気があれば、多くの検査が保険適応になる場合がありますので主治医にご相談ください。

しかし、無症状で生来健康だった方は、保険の適応にはなりませんので人間ドックを受けましょう。メニュー選択に関しては上記のとおりです。

 

全ての病気を見つけることはできません

世の中には怖い病気がたくさんあります。しかし、全ての病気を見つけることはできません。癌に関しても希少な癌も含めて全てを発見することは不可能です。

 

僕がここで言いたいのは、身近に簡単にできる検査で早く発見できさえすれば完治する癌がある。そのような癌で命を落とさないでほしいということです。

 

一方で治らない癌もあります

私個人としては治らない癌になったら、楽しく余生を暮らしたいですね。効果のない抗がん剤に副作用と闘いながら大金を投入する気はありません。

 

また、癌というのは死に方としてはすっきりします。

生き地獄という状況はありませんので、子供に長く迷惑をかけることもありません。

緩和ケアさえ上手に受ければ、苦痛もなく、長く家族の足手まといにもならず、人生を終えることができるのです。

 

もちろん、癌治療の進歩は素晴らしいものがありますので、進行癌で見つかっても有効な治療がたくさん用意されています。

ただ、少し早く見つかっていれば、その必要もなく完治したかもしれないと後悔はしたくないですよね!