それぞれのベネフィット | コーチング・ガレージ

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公認会計士、弁護士、中小企業診断士、理学療法士、薬剤師、建築士、経験豊富な企業人のプロコーチチームが執筆するブログ。

次への一歩をアシストするビジネスコーチの福田です。

 

建設業・SIerを経て、通信建設の業界で経営管理部門を経験し、今は住宅産業で専任技術者という立場で、緩やかに経営変革の成り行きを観ています。

 

副業として、コーチングスクールの講師、プロコーチなどの活動を続けていますが、本業は住宅会社の専任技術者です。

本業とは言え、専任技術者としての業務は殆どなく、文書情報管理士という資格から期待された間接部門の管理業務をアシストしてきました。それも最近では、誰からも業務命令が降りてくる訳ではないので、ここ暫くは、見える範囲の情報から課題を発見し、問題提起を情報共有するということを続けています。

 

そんな中、社内プロジェクトのリーダーから、「与えられたテーマを進めて行くことに行き詰まっているので助けて欲しい」と相談を受けました。

 

よくある話しだと思いますが、AI、DX、SDGs、ESG経営、人的資本経営 等等、新たな課題、経験のない課題に取り組むとき、イメージ先行で経営層から明快な方針、目的、目標が示されないまま、「任せるから思うとおりやってみて」と投げられることは珍しくはないでしょう。

漠然とした課題を投げられた側としては、概念的、抽象的に捉え、拠り所のないままに取り組んでみても、モノゴトが進む筈もなく、やがて迷走する。

 

ところが、当事者が認識しないまでも、与えられた課題そのものと、もう一つの併走する課題を抱えているケースが多いように想像します。

ひとつの仮説として、経験・前例のない課題を投げた側は、チームの「成長を促す」という併走する課題、課題を投げられた側に取っては「実務を通じた自己実現と成長」という併走する課題。

 

ここでプロジェクトとして「課題を投げた」側も経験のないことだから、自信をもって方針・目的・目標を具体的に示すことは難しく、「課題を投げられた側」もコトを進めることは難しい。

だからこそ「成長の機会」として捉えて、「忖度せずに言いたいこと、やりたいことをやろうか」と、課題を投げられた側にストレートに伝え、考え方、検討のプロセスやフレームみたいなことを言葉と、関連する事柄の全体像のようなことを図解して提示してみました。

すると、「コレコレコレッ、なんだかスッキリして、期待を超えた提案で、俄然やる気が」と、プロジェクトリーダーから一気に明るい反応。元々、公募に応じた自律的な社員だったからこそ、ほんの少しの言葉を投げ掛けるだけで、反応してくれたのかも知れませんが。

 

今回提示したのは、プロジェクトを進捗させる課題解決の具体的な策そのものではなく、何処までも、考え方や考えるための材料の提案です。

加えて、そこに自身に取ってのベネフィットとして「成長の機会」をイメージしてもらうことで、やらされ感を解消することには繋がったように思えます。

与えられた本来のプロジェクトという課題と併走する課題は、謂わば、阿部さんが「コンテンツとコンテキスト」として捉えている「コンテキスト」にあたることなのかも知れません。

 

コンテキストの一部を、敢えてコンテンツとして表に出し、それをベネフィットとして言語化することで、ジレンマを解消し、プロジェクトの共通目的に向けて、大筋の合意形成には繋がり易いということはあると思います。

 

事前の作戦会議でプロジェク・リーダーからは共感を得たので、後は、プロジェクトを投げた側のベネフィットを見付けて提案し、どう反応するのか。

そうスムーズに進むことはないかもしれないけれど、なんだかワクワクします。

 

コーチングも、積極的なティーチング、コンサルは避けることがセオリーだけど、気づきを促し、理解を深める、考えを広げる材料、選択肢の例を提供することは、アリですよね。

 

「思考整理の案内人」こと福田でした。

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