はじめに | ITベンチャーで働く社員から、就職活動に勤しむ学生へ

はじめに

 プロフェッショナルという言葉をよく耳にしますが、そもそもどういう意味なのでしょうか。辞書などによれば、ある分野について専門的知識・技術を有していること、あるいは専門家のことを指すとされています。もしくは、何らかの専門分野か広範囲の人々によって行われる分野において、それを職業としている人を指すとも言われています。

つまりは専門的知識・技術を有して、且つそれら専門的分野においてご飯を食べている人をプロフェッショナルと言うのでしょう。

しかし、こんなエピソードがあります。私はあるベンチャー企業でSEとして仕事をしているのですが、そこにプロフェッショナルと言っても過言では無い人がいます。専門的技術を持ち、その技術をして仕事に取り組まれています。ある日のことです。私の同期が、どういう話だったか忘れましたが、メールで「~もう、諦めそう」と言いました。そうすると、前述の方がこう反論されました。

「プロは諦めたらあかん」

 と。確かに、そうだと思いました。諦めたら、そこで終わりです。しかし、ふと思いました。僕にしろ、その同期にしろ、プロフェッショナルとは程遠い能力しか持っていません。プロフェッショナルとは「専門的技術を有す」筈なのに僕たちはプロフェッショナルを名乗って良いのでしょうか? 皆さんも今、大学で経済、経営、法律、政治、宗教、教育と専門性のある領域で勉強をされています。大学院生ともなれば、専門領域の極みです。では皆さん、この中で自分自身はプロフェッショナルだと思える人はいますか?

 今回は最終の講義としてプロフェッショナルとは何かを学ぶ、プロ学を勉強したいと思います。そして、今回はプロ野球選手のイチローと現・中日監督の落合博満を中心に、プロフェッショナルとは何かを探求したいと思います。