先ずは、前回のメルマガの質問に応えるところから入って行きます。
なかなかスケールの大きな質問でした。応え甲斐があります!


【Q】今後半世紀の地球環境は一体どうなっていくのでしょうか?
   どうなっているのが(Mr.削減)の理想の地球ですか?


【応え(らしきもの)】
50年後は正確にはわかりませんが、ここ10年の人類の決断で50年後、

100年後の地球の姿が変わることだけは間違いありません。決断如何

では地球がなくなっている(人類の滅亡と言う)ことだってあり得ます。


なぜなら、このままのCO2の排出ペースを続けると最悪のシナリオでは

2100年に地球の温度は最大6.4℃上昇します。この6℃以上の気温の

上昇が意味する地球の状態は・・・・


『2億5000年前の二畳紀(ペルム紀)と同じ表面温度。

超温室効果によって起こったメタン噴出によって植物も動物もシチュー

状態に。砂漠がヨーロッパ全体を覆い、北極圏に到達。95%の生物が

絶滅し、その最終期、地球は宇宙を遊泳する単なる岩の星となっていた・・』


と言うものです。


つまり、2015年までのおよそ10年間が人類にとって“決定的な意味”を

持ってきます。我々は、今間違いなく地球温暖化に対する人類のコント

ロールが効かなくなる「転換点」の真ん前に立っています。


少なくとも、安部さんがハイリゲンダム・サミットで掲げた「美しい星50」

構想(2050年までに世界の温暖化ガス排出を半減させる)ごときでは、

(実際は本人もろとも消え去ってしまいましたが)本当の「美しい星」には

なりません。子孫に素晴らしい2100年以降の地球環境を残すなら、目指

すべきはその中間点である2050年にカーボンゼロに近い(90%以上の

削減)世界だと思います。


できないと考えればできません。

「やらなくてはならないことがある、そして、やれるかもしれない」

と全国民が考えることです。


以下の話を読み解いてください。

元々日本にとっての2050年CO2排出量半減目標はたいした目標ではあり

ませんでした。全く持って!官僚はこのあたりのごまかしが巧いというか

油断ができないというか・・・・。


そこでは、2050年の日本の人口が2006年の1億2,800万人と比べて3,300

万人も少ない9,500万人であることの説明がなされていないのです。

もちろん、いつと比べて50%削減かも、「現状」と比べてと言う曖昧な表現

で、至るところに状況の変化による逃げ道が準備してありました。


千葉商大の三橋教授はそのあたりをズバッと見抜き(9月26日日経新聞

『経済教室』)70%削減の達成が可能と見ています。(Mr.削減)も同感

です。


と言うことは、あと30%で基準年と比べてカーボンゼロです。凄いことです!

50%ではなく、70%削減可能の理屈(理論の流れ)は以下のようになって

います。


現在の日本人一人当たりのCO2排出量は年間10トン。よってこれだけで

3億3,000万トン(10トン×3,300万人)、つまり基準年のCO2排出量は12.6億

トンですから約37%(3億3,000万トン÷12億6,000万トン)がカバーできます。

加えて、現在年間10トンの一人当たりの排出量を2050年に年間4トンまで

削減できれば5億7千万トン(6トン×9,500万人)がこれに上乗せされます。

この二つをあわせると9億トンのCO2削減となり、9億トン÷12.6億トン

70%強の削減ができます。こう考えると、2050年までに70%削減は

十分射程距離と考えられます!


また、2割、3割程度の削減を考えるから、そこでは“創造と破壊”(ブレーク

スルー)が起こらず、大きな成果が得られないことが世の中大半です。


“43年後、国民一人当たりのCO2排出量を1/10にする、

 つまり1トンにする”


くらいの極めて高い目標(GEのストレッチ目標のように)を掲げて突き進め

ばそこには必ずやブレークスルーが生まれ、そのことでCO2削減率基準年

比94%(ほぼ100%と言って善い)の世界が実現するでしょう。


世界がそうなっていれば気温の上昇も0.6℃程度で、無事に素晴らしい

2100年を迎えられることでしょう。次回以降は、そうなる為の、つまりあと

10年で地球を救う考え方を集め、解説を加えていこうと思います。


最後にもう一度危機感を煽っておきます。
皆さんが一人で地球に住んでいたとします。人口は現在65億人ですから

1/65億の地球です。地球は半径82メートルの円です。70%が塩水です。

10分でひとまわりできます。


この「小さな地球」は交換できません。

新しい「小さな地球」へ旅立つこともできません。


そこでは、1年に1トンを少し越える量の化石燃料が燃やされ、4トンのCO2を

排出し、その半分が大気中に残っていきます。再生速度を25%越えて資源

を食いつぶしている状態で、食べ物と水がなくなりつつあります。

気温が徐々に上昇し、灼熱の星へと加速度的に向かう「転換点」の一歩

手前です。皆さんはやっと今ことの重大さに気がついたところです!!


(Mr.削減)