このように、人は何か注目するものがあるとき、ついそればかりをアップで見てしまいがちです。

しかし、そんなときこそ、あえてズームアウトで見てみましょう。


「慣れ」というフィルターがはずれたとき、あたり前の日常の中にもいろいろな発見があることや、あるいは絶対だと思っていたものが実はそうではないことに気づかされるはずです。


この『うらなり』という小説は、脇役であった”うらなり”を主人公に据えて、『坊っちゃん』の世界を語らせたらどうなるか、という物語なのです。


この「そういうものだから」という納得は、発想の天敵。

そう思った途端、そこで思考が停止してしまいます。


意識的に聞き耳を立てるのです。

すると不思議なもので、今までノイズだったものが、「言葉」としての輪郭を持ちはじめます。


誰だって心配なんてしないで済むほうがいい。

だからこそ「心配」はアイデアの入口となります。

どうすれば、その心配を解消できるのか。


その一歩先を考える。

それはアイデアや企画の受け取り手について、想像を巡らすということです。


疑問にもいろいろと種類がありますが、企画として求められるのは、「いい疑問」です。

いい疑問とは、「答えが知りたくなる疑問」です。

あるいは「いい疑問」に必要な条件を、別の側面から語ると、こうなります。

「共感」と「発見感」


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『大人の宿題』

著者 : 山名 宏和

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