いきなりですが、今日の記事はワークショップやセミナーで講師をする方にお届けします。

NPO 法人EDUCE TECHNOLOGIES主催の【fʌ'n】(ファン)「写真撮影講座!"学び"の魅力を伝えよう!」に参加して、ワークショップ講師はみんなカメラマンを一度はやってみた方がいいんじゃないか、と思い始めたのです。

こんなタイトルの記事を書くようになるとは、行く前は想像もしませんでした。

ワークショップでもセミナーでも研修でもよいですが、やる側の人間になると、心配事がつきません。
次はこれをやらなくちゃ、グループワークであのグループは調子よく進んでいるけれど、こちらのグループは心配だなー、もう少し待って声をかけようか、あ、○○さんがまた携帯で呼び出されて席を外しているみたいだ、声をかけてみようか、お菓子がもうないね、そろそろ追加を頼まなくちゃ、もう1回習ったことをリビジット!リビジット!

意識は常に、前へ前へ、未来へと進んでいきます。だから、「いま、ここ」に集中することがとても大事であったりします。
カメラマンになると、視点は一転します。心配事よりもいま、ここでしか写せない素晴らしい瞬間に着目するようになるからです。
それは、真剣な表情で話を聴いている参加者の表情であったり、ふっとほぐれたりして楽しく学ぶ笑顔であったりします。熱く語る講師の様子も欠かせませんね。

カメラマンになってはじめて、どれくらい自分が人の表情、特に美しい表情に注意を払っているようでいないかがよくわかりました。
人のアップをファインダーを通してみれば、顔、表情がよくわかります。どんなアンケート結果よりも、いま、ここに表れている人の表情は、ワークショップの失敗・成功をよくうつしだしています。

カメラマンにならなくても、わかっているよ、普段、自分はよく人の表情を気をつけてみているんだという講師の方はいらっしゃるでしょう。もちろんです!
でも、カメラマンのように、上からのぞきこんだり、下から見上げたり、前後左右に動きながら人に近づいたり、はしにくいのではありませんか?

プロの写真家 見木先生の名言「撮影はスポーツだ」の通り、カメラマンはじっと立って写真を撮っているだけではありませんでした。ありとあらゆるアングルを探して、歩き回り、姿勢を変えまくっていたのです。思いもかけないアングルに美しい表情が出たり、この人を綺麗に写そうと思って、何度も姿勢を変えるうち、このグループっていいな、と思ったりします。

一瞬、一瞬をカメラで切り取ることは、そのワークショップで何が行われたかを記録に留めることでもあります。
この記録は、ワークショップを開催した側の振り返りにも、参加者の振り返りにも役立ちます。

ぜひ、一度はカメラマンになってみてください。
それが難しければ、一度カメラマンにワークショップを撮影してもらって、そのときの写真を後から見ると、たくさん気づきが得られると思います。