昔、企業の人たちで集まって、一緒に場をつくったことがありました。そのときは、いただき!と持ち帰ってもらえる「有益な情報の提供」に力を入れていました。
その頃は、情報共有・活用に取り組んでいたので、それが場作りにも反映され、情報を持って帰ってもらう、流通させやすい形を重視していたのだと思います。

人材育成に関わるようになってからは、「気づき」を大事にするようになりました。
人が学ぶのは自ら気づいたときだと思ったからです。
その頃は、知の創造に取り組んでいました。知識の創造(knowledge enabling ナレッジ・イネーブリング、innovation イノベーション)は長い旅でまだ終わっていません。新しいことを生み出すきっかけを提供すること、刺激や思いがけない出会いの提供に力を注いでいました。それらを重視していたから、気づきを大事にするようになったのかもしれません。

そして、気づいても出来ないことがあるんです、との返答を貰って、気づき後の「行動変化支援」に力を入れるようになりました。
その頃は、ナレッジリテンション(knowledge retention)とID(instructional design インストラクショナルデザイン)に取り組んでいました。暗黙知をいかに形式知化するかと実践を重視していました。だから、気づいた後の行動変化、その計測とフォローが主題になったのだと思います。

そして、今、「もやもや感」を大事にしています。
もやもや感を大事にしているのは、もやもや感の後に「考える」ことが起きるからです。もやもやを個々人が持ち帰って考える中で、何かが生まれます。生まれるまではもやもやするから考えるのです。もやもやから考えて、気づきが生まれ、行動が変わる、そう思っているから「もやもや感」を大事にしています。

この次の段階が生まれそうで、生まれない、そんなもやもや感を今感じています。