「業者」の含意 | KANSAI Buyer's world

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「関西版購買ネットワーク」に参加しているメンバーの日常をつづるブログです。

「あの業者から値上げ要請があったから、対応しといてくれないかな?」


先日、他部門から上記のような依頼がありました。ある業務を委託している
会社が値上げをリクエストしてきた為、対応=値上げ回避or上げ幅を
圧縮するよう交渉してくれ、という話です。購買としてはよくある事です。


私がいつも気になるのは、「業者」という言葉です。


この言葉、辞書で調べてみますと:
1 商工業などの事業を営んでいる人。「出入りの―」
2 同じ種類の事業や商売をしている人。同業者。「―仲間」「―間の相場」
とあります。


要するに何らかのビジネスを行っている人or会社を指すわけですが、普段の
使われ方として、「よくわからないけど、取引している会社を十把一絡げに
そう呼称」しているような気がするのは、私だけでしょうか??


お金を払ってモノを買ったりサービスを利用するのはその必要があるから
ですが、日常ごく当たり前に利用し支払いをしている対象は、それが自然で
当たり前なので、細かいことをあまり意識しないようになります。
しかし販売or提供している方は毎日が本番で、あるいは少しでも売上と
利益を拡大させようと、虎視眈々と機会を狙っています。ややもすると、
多少強引な手段を使ってでも、そういうことをする可能性も考えられます。


企業としては自分の利益を最大化する為に、コスト増を含めたあらゆる
リスクに備えなければなりません。その為にはまず相手を知ることが
基本中の基本ですが、この「業者」という言葉を聞くたびに、そういうことが
わかってる上でお金を払っているのか?と考えるのです。


もちろんこれは私の感覚で、逆に「業者」と呼称しているからといって
何もわかっていないとも言えません。ただ少なくとも私の場合、よく
知っている取引先のことを「業者」とは呼びませんし、今ではそれが転じて
まだよく知らない先でも意識してそう呼ばないようにしています。


冒頭の依頼に対しては「わかりました、あの会社と話してみます」と返しました。
所詮単なる名詞の違いじゃないかと言われればそれまでですが、何事も
意識を変えるには形から入るのも一策。基本を徹底している組織では、
こういった何気ないことも意識して徹底しているのではないでしょうか。


(北条)