今回の神奈川県の引っ越し、また息子のメンタルケアを行うにあたり私は今までのライフスタイルを大きく変更する必要がありました。これは私にとっては大きな決断です。ですが、この決断は私にとっては幸せと豊かさをもたらしてくれることになると思います。

【決断したこと】

① オン(仕事)とオフ(プライベート)を完全に切り分ける。家にいる時は仕事を持ち込まない。家族との時間を大切にする。

② 週1回定休日を設け、息子と一緒に外出して楽しい思い出作りをする。

③ できる限り息子と一緒に手作りの料理を作ったり、共同作業する時間を増やす。

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 私は今回息子のいじめ問題や九州から神奈川県への引っ越し、同時にここ1ヶ月で「生と死」について考えさせられる出来事が頻発し「幸せとは何か?」「豊かさとは何か?」と改めて考えさせられました。人によって幸せや豊さの定義は違うかもしれませんが、今回のことがきっかけで出した答えが、「家族を共に楽しく過ごす時間を大切にする。」ことです。

 何のために生きるのか?何のためにお金を稼ぐのか?結局のところ、自分と家族が幸せで豊かになるためです。

 家族に惨めな思いをさせたくない。家族を豊かにしたい。だからお金を稼ぐのだ。と言う人がいます。ですが、そのお金を稼ぐために自分の精神と肉体を酷使して寿命を縮め、家族との時間すら持つことができないとなると一体何のために働くのでしょうか・・・?

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 私の実家がそうでした。私の実家は自営業でしたので祖父も祖母も父も母も毎日毎日忙しく働いて子供達をかまう暇もありませんでした。家族が働けば働くほどお金は入ってきていたので物質的には不自由しませんでしたが、その分家族と共に過ごす時間はありませんでした。

 仕事(または勉強など)に追われすぎると精神が崩壊し、理性を保てなくなり感情と欲望をコントロール出来なくなります。大人たち全員が仕事に追われ心に余裕がなくなり、家族に対する優しさや思いやり、慈しみというものが持てない状態でした。仕事のストレスのせいで祖父も祖母も父も母もいつもイライラして毎日のようにお互いを否定・非難しお互いを傷つけあっていました。

 家族と共に過ごす時間がない。ということは「一緒に過ごした思い出を作れない。」ということです。私には家族と一緒に楽しく過ごした、一緒に何かを学んだ記憶もありません。私の家族に対する思い出は「怒り、憎しみ、罵り、恨み」しか残っておらず、そのような環境で育った私が家族から受け取ったものは自己否定感・劣等感・コンプレックスのみです。

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 少なくとも私の記憶の中では、家族から暖かい言葉をかけてもらったり優しくされたり愛されたという記憶が残ってないので(親は愛したつもりかもしれないが、私は認識できなかった)、私は息子が生まれた時に私は息子に対してどう接していいかわかりませんでした。私は息子に対して心から息子を大切にするということがどういうことなのか理解できませんでした。ですので、私は私の家族がしたように、息子に不自由させないために働きました。しかし、私が夜遅くまで働けば働くほど、私の意に反して息子にはどんどん問題が起こっていきました。

 「私は息子のためにこんなに頑張っているのに・・・!!!」

 息子のためと必死になっていたからこそ、息子が問題を起こすたびに息子に対しての怒りがどんどん膨れ上がっていきます。極限状態に達すると理性を保つことが難しくなって
感情のコントロールが効きません。感情の収集がつかなくなって、泣きたくないのにボロボロと涙が溢れてきます。そしてふっと理性と感情が糸が途切れ、「あぁ、私一体何やっているんだろう?もうどうなってもいいや。」と自暴自棄になります。そして思うのです。「なぜ私がこんな目に・・・。」「幸せとか豊かさって何だろう?何のために生きているんだろう。」と。

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 私は個人鑑定もしていますが、同時に神奈川県の中華街でも店舗に所属して鑑定をしています。中華街は中国人だらけですが、夜20時になるとほとんどのお店が閉まります。それは家族と一緒にいる過ごす時間を大切にしているからです。

 私は日本人ですが中華街の人々は日本人とか中国人とか関係なく、皆家族のように気さくに話しかけてくれます。中華街はいつも和気藹々としています。見ているこちらが羨ましくなるくらいに。

 私はこの中華街の人々の生活と自分の育った家庭環境を比較し振り返ってみました。それと同時に私の今までの生き方も。

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 私は思います。

 働けば働いた分だけお金を得ることが出来ます。お金があることで自分の欲しい物を買えたり、誰かに何かをプレゼントして喜んでもらったり、誰かをそのお金で救うことができることで豊かで幸せな気持ちになることができます。そういった意味ではお金は自分の生活と心にゆとりをもたせて安定させるためには絶対に必要なものです。だけど、その大切なお金と同じくらいに家族と一緒に楽しく過ごす時間も必要なんです。

 「運」は人が運んでくるという言葉があります。良い運も悪い運も人と人とが関わりを持った時に初めて発生しますが、良い運を運んでくる人は「家族仲が良い人」です。

 嫌なことがあっても家族が慰めてくれる、大丈夫だよと言ってくれる。嬉しいことがあれば一緒に喜んでくれる。困ったらすぐに助けて手を差し伸べてくれる。一緒にいて楽しい、嬉しい、居心地が良い。そういった家族仲になれば自然と家族全体の運気は上がりますし、そういった家族の方々と関われば自分にもその良い運気を分けてもらえます。そういった意味では本当に運を良くしたい、本当に豊かで幸せになりたいのであれば、まずは仕事も大切かもしれないけれど、それと同じくらいに「家族との絆」を深め、自分のためにも家族のためにも一緒に良い思い出・楽しい思い出を作ることがとても大切だと思います。

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<追記>
 
 人は誰でもいつか必ず死にます。今まであなたが一生懸命頑張って築き上げた地位、名誉、土地、財産もあなたが死んでしまったらあの世には何一つ持っていけません。あの世に持っていけるのはあなたの経験から得た感情と思い出だけ。

 もしあなたが突発的に明日死んでしまったとしたら?そしてあなたがあの世に持っていける感情が辛い、苦しい、悔しい、憎いという思いと、家族ではなく仕事だけの思い出だけだとしたら・・・?それはとても悲しくて寂しいことなのではないでしょうか。

 気付いた時がチャンスです。今ならまだ間に合います。私は気付いたのでこれからは「家族と一緒に楽しく過ごした思い出」を増やせるように、家族と共に過ごす時間を作っていきます。