今日は、こども英語講師として「大阪市の英語教育が良い方法に進みますように」と願いを込めてベル



大阪市長のHさんが

「小学生で英検3級・中学校3年で英検準1級取得を目指す!」

「フォニックスを取り入れたらいい」

ってメディアに発言したことで、関西ローカルの番組で、この件について取り上げられることが多くなりました。

昨日も、「何をするにしても、指導者の問題ですね。」とコメンテーターの方がおっしゃっていましたが、私も同じことを思います。

Hさんは、そこまで考えてお話してくださっているのかしらというのが私の素朴な疑問。

もしかしたら、これら一連の発言は「大阪市の教員トレーニングを強化する」ということを示唆しているとも考えられるのかしら?

いずれにしても、「市長さんが1人で言っているだけ」ということだけはないようにと、一市民として願いたいところです。

個人的に、英検は対策本もたくさん出版されているから何とかなったとしても、フォニックスを指導するには、相当なトレーニングを積み重ねた指導者でないと困難だと思います。

フォニックスをご存知ない方もいらっしゃると思いますので、私が知る限りでご説明しますと、これは英語圏のこどもたちに対し発音記号の読み方を指導するのではなく、アルファベットにそのまま音をつけ単語を見ただけでそれが読めるようになるルールを習得させる教授法です。つまり、

a(エイ) says a(ア),a(ア),apple 

b(ビィ) says b(ブ),b(ブ),banana

いう口頭練習を通してアルファベットが持つ音を知り、そこからb(ブ)とa(ア)を足してba(バ)と読めるようになるということです。

日本の中でもアルファベットが持つ音をア・ブ・クッ・ドゥ...とカードを用いて口頭練習しているお教室がたくさんあります。



私も一時これを英語指導の中に取り入れようとしましたが…、やめました。

なぜやめたかというと、アルファベットの音の練習をするまでは楽しいかもしれないけれど、英語の歴史上、外来語がそのまま英語になっている単語のために、フォニックスのルールだけでは対応できない例外もたくさんあります。例外があるというのは、結局複雑だということだし、発音面でも気になることがあったからです。

英語圏のこどもたちなら、生活の中で英語に触れている経験から文字と音をつなぎあわせていくことができるかもしれないけれど、ほとんど英語に触れることがない日本のこどもたちには専門的に勉強した方が指導するべきです。

そのような専門性知識が必要になるようなことを、わざわざ市長さんがメディアで発言する必要があるのかしら?

英検がどうのこうのとか専門家が指導しないと、良い結果が生まれないことではなく、「英語に限らずターゲットとする外国語を普段の生活の中で使える環境を地域の中に整えます。」ということは言ってくれないのかしら。。。

心とことばを一緒に育むことを一番に考えて欲しいです。

それが生きた言語の獲得につながるのではないでしょうか