由依side

もうすぐ櫻坂になって初めての春を迎える。

春は出会いと別れの季節なんて言うけど
学校からはもう卒業し、戻ることもなくなると
浮かれ気分になるのにも疎遠になるものだと思ってた
もともとそういうのには疎かったし。

でも、そんなことなかった。

春が来ればやっぱりウキウキするし
ちょっと期待をしてみたりする。

タイミング的に今じゃないだろうなって思う
思うけど今言わないままだったら多分ずっとこのまま

一応思い上がってるだけじゃないことだけ知っておいて欲しい
皆さん。

理佐は夏鈴ちゃんに好き好き言ってるけど
天ちゃんに好き好き言い寄られてるけど
楽屋で話しかけると他のメンバーと話す時よりも
声が優しくなる。目尻をもっと下げて、話してくれる。

みいちゃんに自惚れを聞いてもらうと
いつも背中を押してくれるし、
きっと大丈夫だと言ってくれるけど
なかなか勇気が出ずに早数年。

でも今日こそは。

「理佐。話したいことがあるの。」




理佐side

急にかけられた声にかなり驚いた
だってその声の主はこばで
ここ2~3年は仕事以外の話をしてなかったから

「なに。」

「あの、さ。」

「空いてる部屋に移動しよっか。」

そう言えば安心したような顔を見せてくれる。


「ねぇ理佐。あのさ、私、理佐の事好きみたい。」

「私もこばの事好きだよ?」

「理佐の好きと私の好きはきっと違うよ。
私はメンバーとしてじゃなくて恋の好きなの。」

〝好き〟という言葉に頭を最大限に働かせる
〝好き〟という言葉で私の頭の中には何人かの顔が浮かんだ
夏鈴ちゃん、天ちゃん、こば。
葵に言われた「理佐はゆいぽんと話す時は顔が変わるよ。」
あぁそういうことだ。
私はきっとこばのことが好きなんだ。

「私もこばのこと好き、だと思う。恋、の好きで。」

「もし、気ぃ遣ってるなら、いいよ。そんなの。」

「違うの。葵に言われてたの、こばと話してる時違う顔だって
だから、そういうこと。正直よく分かってないけど、〝好き〟って聞いて恋として頭に浮かんだのは、こばだった。」

「夏鈴ちゃんと天ちゃんは恋としてじゃなかったの?」

「うん。後輩として推しとして好きなんだと思う。こばに思った好きとは違う好きだよ。」

「そうなの、じゃあ。じゃあって言うのもあれなんだけどさ。
渡邉理佐さん。私と付き合ってください。もしかしたら今理佐は私を恋として好きじゃないかもしれない。でも絶対好きにさせる。不幸せになんてしない。」

「うん。よろしくお願いします。」



小林side

多分今私、世界で1番幸せ。
状況を伝えればわたしは理佐と手を繋いで楽屋に戻ってる最中
この幸せに乗っかっておねがいの頼みごとをしてみちゃおう。

「ねぇ、理佐。」

「ん~?」
あぁすき。私この子の恋人で、この子の恋人が私?
幸せすぎてのため息出そうだけどここは伝えるんだ。

「こばじゃなくて由依って呼んで。こば、やだ。」

「あぁそうか。。こばって私しか呼んでなかったけど、由依でも私しか呼ばないことになるもんね。」

あ、それでこばだったの????
そしたらこばでも良かったかも、特別感あるし。
でも由依でも、特別だし。理佐がいいよって言ってくれそうだし。。。うん。

「うん。由依がいい。」

「分かった!ゆ~いっ!」

あぁ春のウキウキに乗っかるのも悪くなかったな。

多分これは春が来たってやつ、、?