膵臓ガンの痛みは

想像を超えていました。

痛みは止めてまモルヒネを服用する

オキシコドン

オキシコティン

吐きけどめ

数を数えたら10種類を越えてました。


痛みが止まっている時間は

日に日に 短くなっていき

次のモルヒネ服用時間を守らずに

服用する父をみながら

心の奥底で 父ちゃん飲み過ぎたら
副作用がキツくなるとよ。

言葉にならない  呟きとは裏腹に

痛みが止まって欲しい 
飲んでよ。

そんな思い。

当時

母が入院。

悪い事は重なるものだと

母は複数の病気を持ち その一つである

進行性リウマチから脊髄の圧迫骨折がおき

入院を余儀なくされた。

私は

父の食事を作り 母の病室へいき

介護の端くれをやる日

父と母が

こんな時期に離れて過ごす

心が沈んでいく。

私の作る食事も 食べたくないじゃなく

食べものを食べれなくなってきた。

痩せてくる姿が 尋常じゃない。


とうとう

怖れていたモルヒネの副作用がきた

怖いほどの吐き気。

父を急いで

病院に搬送したが  結局入院となりました

モルヒネが効かなくなり

注射からの更に強い痛みどめ

食事はもう口からも
無理で チューブからも無理

唯一点滴だけ

辛い。

辛いけど

最後まで

側にいる

この頃  私は父に話をした。


父ちゃん…

父ちゃんと今 やっとふたりでいれる

うち 幸せよ。


父は

やっと俺のとこに戻ってきてくれたね
俺も  幸せよ。


いくつか

お前にたのみがある。

一つは
俺が逝ったら 母ちゃんのことば 頼むぞ。

一つは

お前が喪主をやれ!

一つは

葬式は小さく 小さくでよか
もし?来てくれる人が1人でも
おったら その人達の前で
絶対 泣かんで 頭をさげろ。

父との会話。


そして

膵臓から胆嚢 胆管にガンが転移した。

痛みは     もう   

父と話をした

最後は 全身麻酔しかない

眠りながら 呼吸数が減っていく

わかる?父ちゃん?


父は

よか!

もうそろそろ

眠るけん。

母を一時退院させて

父の側に。

車椅子に座る母の手を握り


父は

おい  苦労をかけたのー。
俺と一緒になって
苦労かけたのー。

先に逝くけど いつか待っとるけんのー。
そん時は 安心して来いよー。

母は

あんたがおらんやったら
うちは……


そうねー
うちも そのうち あんたの側にいくたい。

まっとってねー。



父が私にいった最後の言葉

千種
側におってくれて 嬉しかったよ
俺の子供

さぁ
いまから東京に帰れ!
帰って仕事しろよー
俺は もう一回

見たいよ。

もう一回
がんばってやれよー

育てていかんばよー

また

俺の子供でのー。約束するけん。




父の静脈から

全身麻酔が。


父は

ゆっくりと

ゆっくりと

眠りに。

久しぶりにみた

ゆっくりとした

眠り顏だった。