CN総合コンサルティング主催の第9回特別講演会が4月14日、大手町にて開催されました。
米国・イスラエルによるイラン攻撃開始から約1カ月半が経過し、ホルムズ海峡の封鎖状態がエネルギー市場や世界経済に深刻な影響を及ぼす中、今回はジャーナリストの永井隆(ながいたかし)先生をお招きしました。
「混迷の時代、中小企業が生き抜くために」というテーマで、現場取材に基づく貴重なお話を伺いました。
【講師プロフィール:永井 隆 氏】 1958年群馬県生まれ。明治大学卒業後、新聞記者を経て1992年に独立。
30年以上に及ぶビール業界の取材をはじめ、自動車、組織と人、外国人労働者問題など幅広いテーマで執筆活動を展開。
主な著書に『サントリー対キリン』『EVウォーズ』など多数。最新作は『軽自動車を作った男 知られざる評伝 鈴木修』(プレジデント社)です。
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講演要旨:スズキに学ぶ「生き抜く戦略」
先日インドのスズキ自動車を取材したばかりの永井氏は、同社の成功の鍵から話を切り出されました。
1. インドの知恵「ジュガール(Jugaad)」
スズキがインドで乗用車シェア41%を誇る背景には、「今あるものを知恵と工夫で活かし、ないものを求めない」というジュガールの精神があります。
前会長の鈴木修氏は自らを「中小企業のオヤジ」と称し、既存の軽自動車「アルト」を現地向けに改良するなど、等身大の経営を貫きました。
また、カースト意識を打破する「役員大部屋制」の導入や、トップ自らが誠意を持って向き合う「ハート・ツー・ハート」の交流が、信頼関係を築いたのです。
2. 日本経済の現状と中小企業の課題
少子高齢化や人手不足により、2026年には日本のGDPがインドに抜かれ世界5位に転落すると予測されています。
外国人労働者の受け入れにおいても、単なる労働力不足の解消ではなく、いかに「一人前」として育て、互いにプラスの関係を築くかが問われています。
講演では、倒産危機を乗り越えたスズキや、経営危機下でのアサヒビールの決断、米国で成功した「くら寿司USA」など、苦境を打破した先達の事例が紹介されました。

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【まとめ】これからの経営に求められる視点
激動の時代を生き抜くため、以下のポイントが示されました。
ジュガールの実践: 自社の強みと弱みを整理し、今ある資源でやり抜く道を探る。
現場力と情報共有: 経営情報を末端まで開示し、現場間の壁を取り払うことで組織のバラバラ化を防ぐ。
多様性と緊張感: 「羊の群れに山羊を入れる」ベドウィン人の知恵のように、異質な存在を混ぜることで組織を活性化させる。
前例の否定: 「そこまでやるのか」と言われるほど、既存の慣行にとらわれない戦略を打ち出す。
トップの率先垂範: 好き嫌いではなく「意見の有効性」で判断し、リーダー自らが行動で示す。
「スズキは浜松の中小企業」と語った鈴木修氏のように、自社の事業に集中し、長期的視座を持って一歩ずつ進むことの重要性を再確認する講演となりました。
以上
