<特例公債法案>依然成立見通し立たず
通常国会の会期末(6月22日)が約1カ月後に迫るなか、赤字国債の発行に必要な特例公債法案の成立見通しが立たない。政府・民主党内では、東日本大震災のがれきの撤去費用積み増しなど少額の補正予算を「1・5次補正予算案」として今国会に提出し、財源を赤字国債とすることで特例公債法案との「抱き合わせ成立」を図る案もあるが、野党が賛成する機運は高まっていない。法案が成立しなければ、秋には財源が枯渇しかねず、財務省は危機感を強めている。【横田愛、坂井隆之】
◇妥協案に自民つれなく
「今週から特例公債法案の審議に入ろうと思ったが、止まっている。子ども手当の見直しと特例公債法案の採決が、事実上セットになっている」。民主党の古本伸一郎・衆院財務金融委員会筆頭理事は、18日の党国対会合で、こう報告した。
民主、自民、公明3党の政調会長は4月29日、子ども手当の検討などを前提に「特例公債法案の成立に向け真摯(しんし)に検討を進める」との合意文書に調印した。与党側は、子ども手当法案の修正協議で野党側に大幅に譲歩することで、特例公債法案への賛成をとりつける戦略だった。
だが、内閣支持率が低迷するなか、野党は会期末が近づくにつれ再び対決姿勢を強め、内閣不信任決議案の提出もちらつかせ始めた。子ども手当法案の修正だけでは、野党の協力を得られるかは不透明な情勢だ。民主党幹部は「岡田克也幹事長が早々に修正に言及し、取引材料にならなくなった」と嘆く。
そこで政府・民主党内で浮上したのが「1・5次補正」案。野党が、11年度2次補正予算案の今国会提出と会期延長を求めていることに配慮した案だ。
だが、自民党幹部は「バラマキをやめない限り特例公債法案には賛成しない」とつれない。
打開策が見えない現状に、民主党内では「『反対したら予算が止まる』と野党に迫りながら法案を採決する『瀬戸際戦術』しかない」(党関係者)という声まで出ている。
◇国の資金繰り行き詰まる恐れも
財務省によると、11年度に予定している赤字国債の発行額は37兆円。1次補正後の予算額92・7兆円の約4割を占める。法案が成立せず、赤字国債が発行できなければ、秋には国の資金繰りが行き詰まる恐れがある。
4月以降、財務省は毎月の税収や、歳出と歳入の時期的なズレの調整などのために最大20兆円まで発行が許されている財務省証券などで、東日本大震災の復旧対策費や政府の事業費を賄っている。4月に決めた予算執行方針で公共工事の5%の執行を留保したほか、一般会計から特別会計への繰り入れを遅らせるなど、年度前半の歳出を抑制するため、やりくりに懸命に取り組んでいる。
10年度の歳出累計は10月末に52兆円に達しており、予算規模がほぼ同じ11年度も歳出ペースが同じと想定すると、秋には財源が枯渇する計算だ。それ以前でも、地方交付税を配分する6月は資金余力が比較的小さくなる上、震災の復旧・復興費用の必要な時期が集中すれば、資金繰りが緊迫する可能性がある。
特例公債法案が成立せず、メドも示されない状況が続けば、予算執行の大幅削減や、国の業務の一部停止が現実味を帯びてくる。市場からは「もし法案が成立しなければ、政治リスクが意識され、財政への不安から国債価格急落(金利は急騰)の引き金になりかねない」(みずほ証券)と懸念する声が上がっている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110518-00000110-mai-pol
◇妥協案に自民つれなく
「今週から特例公債法案の審議に入ろうと思ったが、止まっている。子ども手当の見直しと特例公債法案の採決が、事実上セットになっている」。民主党の古本伸一郎・衆院財務金融委員会筆頭理事は、18日の党国対会合で、こう報告した。
民主、自民、公明3党の政調会長は4月29日、子ども手当の検討などを前提に「特例公債法案の成立に向け真摯(しんし)に検討を進める」との合意文書に調印した。与党側は、子ども手当法案の修正協議で野党側に大幅に譲歩することで、特例公債法案への賛成をとりつける戦略だった。
だが、内閣支持率が低迷するなか、野党は会期末が近づくにつれ再び対決姿勢を強め、内閣不信任決議案の提出もちらつかせ始めた。子ども手当法案の修正だけでは、野党の協力を得られるかは不透明な情勢だ。民主党幹部は「岡田克也幹事長が早々に修正に言及し、取引材料にならなくなった」と嘆く。
そこで政府・民主党内で浮上したのが「1・5次補正」案。野党が、11年度2次補正予算案の今国会提出と会期延長を求めていることに配慮した案だ。
だが、自民党幹部は「バラマキをやめない限り特例公債法案には賛成しない」とつれない。
打開策が見えない現状に、民主党内では「『反対したら予算が止まる』と野党に迫りながら法案を採決する『瀬戸際戦術』しかない」(党関係者)という声まで出ている。
◇国の資金繰り行き詰まる恐れも
財務省によると、11年度に予定している赤字国債の発行額は37兆円。1次補正後の予算額92・7兆円の約4割を占める。法案が成立せず、赤字国債が発行できなければ、秋には国の資金繰りが行き詰まる恐れがある。
4月以降、財務省は毎月の税収や、歳出と歳入の時期的なズレの調整などのために最大20兆円まで発行が許されている財務省証券などで、東日本大震災の復旧対策費や政府の事業費を賄っている。4月に決めた予算執行方針で公共工事の5%の執行を留保したほか、一般会計から特別会計への繰り入れを遅らせるなど、年度前半の歳出を抑制するため、やりくりに懸命に取り組んでいる。
10年度の歳出累計は10月末に52兆円に達しており、予算規模がほぼ同じ11年度も歳出ペースが同じと想定すると、秋には財源が枯渇する計算だ。それ以前でも、地方交付税を配分する6月は資金余力が比較的小さくなる上、震災の復旧・復興費用の必要な時期が集中すれば、資金繰りが緊迫する可能性がある。
特例公債法案が成立せず、メドも示されない状況が続けば、予算執行の大幅削減や、国の業務の一部停止が現実味を帯びてくる。市場からは「もし法案が成立しなければ、政治リスクが意識され、財政への不安から国債価格急落(金利は急騰)の引き金になりかねない」(みずほ証券)と懸念する声が上がっている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110518-00000110-mai-pol