Text or Nothing -45ページ目

シャガール展

金曜日、知人たちと一緒にシャガール展に行きました。

何という名の美術館だったか忘れましたが、Châtelet 近くの、というよりポンピドゥー・センターのすぐそばの、タンプル通り71番地の美術館でした。たしか Musée d'art et d'histoire du Judaïsme というような名前だったと思います。シャガールの美術館は南仏ニースにあるそうなので、パリで見られるのは今だけだと思い、張り切って行ってきました。シャガール展内は撮影禁止でしたし、そもそも写真を撮るつもりはなかったのですが、手元にあったお知らせの葉書の写真だけ載せようと思います。


Text or Nothing

このシャガール展の告知に使われているのは、これまた記憶がおぼろげですが Pâcques という名の作品だったように思います。シャガールはユダヤ教で、ユダヤ教の聖書(と言ってもほとんどキリスト教の旧約聖書と同じ)の挿絵を作成したことで知られています。したがって、Pâcques を復活祭と訳すべきか、過ぎ越し祭と訳すべきか、迷います。


シャガールは、どの芸術グループにも属さなかったとされるいっぽうで、やはりよく言われるように、シューレアリスムの影響は大きかったに違いないと思います。ヨセフのためになくヤコブという絵画では、息子ヨセフが獣に襲われたとのウソの知らせを受けて悲しむヤやコブが、背中を丸めて頭を膝近くまでがくりと落としているのですが、なんとなく頭だけクビから外れてがっくりしているようで、いいなぁと思いました。


作品の題名は忘れましたが(忘れすぎですが)、キリストをユダヤ人迫害のシンボルとして捉え描いた作品があり、イデオロギーとしても興味深い勉強でした。


それから、同じ聖書の箇所を題材にした絵画が、白黒系だったり、水彩のような絵だったりと、何種類もあって、同じ作品を何度も作るとは何を意味するのだろうと自問したりしました。たとえば、彫刻家のオーギュスト・ロダンは、同じ像をいくつもいくつも作りましたよね(なぜか今日は会話調!) そのため『考える人』がいくつもいくつもあって、日本にまでありがたいことに「本物」が存在するわけですが、そんな事情を知ると、(そしてとりわけ鋳型によってつくられる彫刻となると…)「作品」とはなんぞやと思わずにはいられません。


さて、このシャガール展、偶然ゼロユーロで観られました。


本来の一般料金が7ユーロで、団体の私たちは一人6ユーロだったのですが、どうにも受付嬢がキレ気味で、事前に連絡を受けていない団体は駄目だなどと言いだし、そのうえ、25歳以下の人は当初から4,5ユーロで団体割引よりも安いのに、団体ならば25歳以下の人も6ユーロ支払わなくてはならないなどと、理不尽なことを言い出して、私たち一同老いも若きも「ハァ?」という感じでした。


さらに、ロビーで、見学を心待ちにしたわれわれ一行が、ごく普通に(フランスのしきたりなのか)ぺちゃくちゃおしゃべりしていると、その受付嬢が「すみません、受付で声が聞こえないので、静かにしてくれませんか」のようなことを言いにきた。またまた「??」でした。


そのまま何とかトランシーバを受け取って入場していろいろと見学していると、私たちのグループの責任者とすれ違い、「入り口の人たちが、計算ミスをしたらしい。おかげで返金されたので、あなたにもお金を返すわね」と言われました。そしてめでたく6ユーロが戻ってきました。