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『アパートの鍵貸します』は面白い映画だった。
同じ監督だと知って、見たこの映画。驚いてしまった。
チェス盤で始まる可愛いオープニングはとっても素敵で、どんなフレンチラブが…!と期待していたら、意外にもかなりの泥沼愛憎劇。

男女の関係が破滅的で、純真という美徳を象徴する“マリアンヌ”という女性が、正しいながら苛々とさせられ、半ば憎くなってくる。貞淑だとか、純真だとか、一般的に美しいものが崩壊して行く様は、確かに見ものだった。
だが、純真と貞淑は、男の荒廃を食い止める。しかし、長年積み重ねた悪徳が、それを許さない。
一度回り始めた歯車は、どんな犠牲を払っても、とめることは出来ない。

17才の少女が快楽に堕落していくのだが、彼女は悪徳の後継者なのだろう。
最後まで悪びれない様子は、いっそ劇中一番の悪女なのかもしれなかった。
しかし、能天気に見えて、あれが若さなら私は御免蒙りたいけど。

ラストシーンの焼け爛れた顔がとても象徴的だった。